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2008.07.03

生誕290年 木喰展 ー庶民の信仰・微笑仏ー

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現在、横浜そごうで開かれている“木喰展”(6/27~7/24)のチラシがなかなかいい。左斜め横から撮った上の“地蔵菩薩像”(日本民藝館所蔵)が“皆さん。最近、笑ってますか”と語りかけている。

このチラシに誘われたのか会場にはかなりの人がいる。今年は木喰(もくじき、1718~1810)の生誕290年にあたる。これにあわせて企画された大回顧展は昨年10月の明石市立文化博物館からはじまり、これまで全国5ヶ所を巡回し、最後にここへやってきた。

仏像130点、書画や資料30点は見ごたえ充分。06年10月の“仏像展”(東博)にも“十六羅漢像”(京都・清源寺)や今回も出品されている“十王坐像”(兵庫・東光寺)、“十二神将像”(新潟・西光寺)などすばらしいのが13点展示してあったから、この回顧展とあわせると木喰仏の代表作はほとんど見たことになるのではなかろうか。

全部を見終わってまた、会いたくなるのが上の“地蔵菩薩像”と真ん中の“自刻像”。どちらも民藝館にあるもので、馴染み深い作品(拙ブログ06/10/12)。細い目の下がぷくっとふくれる笑顔はほかの像にもみられ、その都度心が和むがこの二体の微笑みが群をぬいていい。

これは木喰84歳の作で、故郷、甲州丸畑に建立した四国堂に納められた八十八体像のひとつ。木喰仏を世に知らしめた柳宗悦(やなぎむねよし)は“どこにこれ程親しげな仏があろう。誰もくつろぎながら仏と語ることが出来る。如何なる者でも仏の伴侶である。無学な者も貧しい者も仏のよき友達である。何も教理を説きはしない。知識を求めはしない。木喰上人は仏教を民衆の手に贈ったのだ”と述べている。

現存する神仏像は617体。このうち15体ある自刻像は今回5点ある。目につくのが6点ある“子安観音菩薩”。そのなかでしばらく立ち止まってみたのが菩薩のふくよかな顔や可愛い子供がきっちり彫られている愛知県新城市徳蔵寺蔵のもの。

木造彫刻として見ごたえがあるのは長岡市の寺がもっている“如意輪観音菩薩”、“千手観音菩薩”、“三面馬頭観音菩薩”など5体。袈裟のカーブとか手、蓮の花に見入ってしまった。

下は再会した“十二神将”。2体は笑っているが、10体は忿怒相。ちっこい神将だが、太い眉毛をつりあげ、ぎょろっとした目でみつめる姿は迫力満点。また、力強く彫られた長い髯や甲冑にも目が釘付けになる。

これほど多くの木喰仏と対面できたことが嬉しくてたまらない。円空に続き、木喰も見せてくれた横浜そごうに感謝々!

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コメント

チラシもいいけど美術館図書室で拝見したカタログもなかなか気合が入っていますね!
横浜そごうが全国巡回の最終ですよね、これは時間を作って観に行きます!

投稿: oki | 2008.07.04 23:07

to okiさん
円空のときと同様、木喰の図録もしっかりした
出来上がりです。7/8からの東博の“対決ー
巨匠たちの日本美術”にも木喰の作品がでて
きますから、また楽しめそうです!

投稿: いづつや | 2008.07.05 13:17

行ってきました、いやあ作品がガラスケースに入っていないので二重に楽しめましたよ。
僕のお気に入りは柳が発見した子安観音菩薩ー作品番号21と、カフヤノ大師-作品番号110です。
いづつやさんは木喰に倣って和歌を詠むというコーナー参加されましたか、次回招待券ももらえてうれしかった!
僕は「なむあみだぶつ」と「微笑み」のはいった歌を書いてきました。

投稿: oki | 2008.07.08 23:29

to okiさん
木の幹のなかに彫られた子安観音菩薩はいい
ですね。仏像展にもでてましたね。インパクト
のあるカフヤノ大師も印象に残ってます。

和歌とか俳句のセンスはまったくありません
から、遠慮しました。こういうコーナーがあると、
展覧会に対する好感度が増しますね。

投稿: いづつや | 2008.07.09 11:32

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» 木喰展 @福岡市博物館 [Art & Bell by Tora]
 博多からバス。福岡ドームを過ぎてすぐのところにある立派な博物館。以前に金印を見に来たことがある。 今回の目的は「木喰展」。以前に「仏像展」でも木喰仏はいくつか見たが、今回は木喰に絞った展覧会である。結構観客の入りは良い。■プロローグ: 木喰が生まれたのは1718年山梨県。22歳で出家、56歳で全国行脚に出ているが、彫像を始めたのは60歳過ぎで90歳まで多数の仏像を作った。近年になって木喰を再発見したのは柳宗悦。1924年、新潟県の小宮山家の蔵に焼き物を見にいったところ、そこに2体の仏像があることを... [続きを読む]

受信: 2008.07.07 08:55

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