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2008.07.23

三井記念美術館のNIPPONの夏

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三井記念美術館で開催中の“NIPPONの夏”(7/12~9/15)を見て、昨日記事にした鈴木其一作、“朝顔図屏風”がなぜこの時期なのかがわかったような気がする。朝顔が夏の風物詩で、NHKの番組スタッフも“NIPPONの夏”を意識したのかもしれない。

面白いことに番組で紹介された其一の“朝顔図”が展示室の一番最初に飾られていた。美術番組と展覧会がちゃっかりコラボしているのだったら、番組が終了したあと、“この絵が三井記念美の展覧会に展示されてます”くらいの案内をすれば、其一にたいする関心がまたひとつ高まったのに。惜しいなあー!

“NIPPONの夏”はシリーズ“美術の遊びとこころ”の第三弾。作品(93点)の一部は前期(7/12~8/10)、後期(8/13~9/16)だけに展示される。当初、歌麿の追っかけ作品、“夏姿美人図”(遠山記念館)が展示される後期のみ出動する予定だったが、上の“藍色薩摩切子小瓶”(大和文華館)と応挙のまだみてない“瀑布図”が出品されていることがわかったので、急遽前期も出かけることにした。

暑い夏をすこしでも快適に過ごす工夫を江戸時代の人たちはいろいろした。麻などの薄手の着物を着たり、水辺の情景が描かれた掛け軸や屏風を部屋のなかに飾ったり、目にも涼しげなガラスややきものをつくったりした。再会した応挙の“青楓瀑布図”(サントリー美、拙ブログ07/8/4)の前にしばらくいて、飛びちる水しぶきで心を少しぬらした後、お目当ての薩摩切子と対面した。

小さな瓶であるが、とても端正な形が目に心地いい。これまで薩摩切子はサントリー美のすばらしいコレクション(04/12/2007/6/27)や昨年あった“美の壺展”(日本橋高島屋)に登場した緑色の切子(07/12/5)をみることができたが、今回は奈良に出かけなくて大和文華館自慢の薩摩切子2点の一つが見れるのだから、これほど幸せなことはない。

夏の暑いときはいつも図録を本棚から引っ張り出し、薩摩切子とかガレ、ラリックの作品の図版を見ている。5分もたつと暑さがやわらぎ、涼しい空気が流れてくる。お試しあれ!

この美術館へ数年通ってわかったのはここが良質の浮世絵を見せてくれること。今回も夏の情景を描いたいい絵がいくつもでている。なかでも、広重の“名所江戸百景 大はしあたけの夕立”、歌麿の“寒泉浴図”、国貞“両国川開図”、真ん中の北斎の“江都両国橋夕涼花火之図”に足がとまった。

北斎の花火絵は広重(07/8/9)や現在、東博にでている歌麿(7/19)の絵同様、気分が次第に高揚してくる。こういう絵をみると、今も昔も、花火は夏の最高のエンターテイメントであることを実感する。

下ははじめてお目にかかった応挙の“鵜飼図”(部分)。応挙はこんな絵も描いていたのかという感じ。数隻の小舟を右にカーブさせて配置する構図が秀逸。期待はずれの瀑布図がこの絵で救われた。後期にはお目当ての歌麿の美人画が登場するから、ちょっとワクワクしている!

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コメント

ガレ、ラリックが、暑気払いになるのですね。
さっそく試してみます。

投稿: 一村雨 | 2008.07.24 23:37

to 一村雨さん
サントリー美の“ガレとジャポニスム”に出品された
月光色ガラス“花器・バッタ”(拙ブログ08/4/21)
とかラリックの“三足鉢・セイレン”(05/3/27)
を拡大画像でお試しください。涼しくなりますよ!

投稿: いづつや | 2008.07.25 07:55

三井記念は本当に上質な展示ですね。
サントリーと比べても引けを取らない、それが「ぐるっとパス」で無料で観られるのだからうれしい限り!
僕は「ホッピン」と初めて対面しましたよ。
浮世絵もいろいろありましたが、全部借り物でしたね。

投稿: oki | 2008.07.25 14:12

to okiさん
三井記念館の企画力はおっしゃるようにレベルが
高いですね。数は多くありませんがひとつ〃の
作品はとても味わい深いです。

ぽっぴんは試しに吹いてみたくなりますね。
いい浮世絵をいろんな美術館から集めてくれるの
でたまりません。後期に出てくる歌麿の美人画は
追っかけリストに入っている絵です。

投稿: いづつや | 2008.07.25 22:54

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» NIPPONの夏 @三井記念美術館 [Art & Bell by Tora]
 「夏」の暑さを吹き飛ばすスッキリとした展覧会。 「朝、日盛り、夕暮れ、夜」という時間の流れを追いながら、江戸時代の夏の一日を追体験することができる。Ⅰ 朝の章~朝顔と涼の装い: 鈴木其一の《朝顔図》は、一輪だけの朝顔の青が鮮やかで、葉のたらしこみも巧い。一つの花を独立して描くようになったのは其一からであるが、この絵は当時の朝顔ブームを反映しているのであろう。  葛飾北斎の肉筆美人画《夏の朝》↑は、ポスターになっている逸品。個人蔵だから見逃せない。立姿の艶やかな女性が身支度中。表情が鏡に写って... [続きを読む]

受信: 2008.07.24 18:24

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