« 茨城県陶芸美術館の荒川豊蔵展 | トップページ | 芸術都市 パリの100年展 »

2008.06.01

名古屋ボストン美術館のモネ展

214_2
213_2
212_2
名古屋ボストン美術館では現在、“クロード・モネの世界”(4/26~9/28)が行われている。3月、ボストン美術館を訪問したばかりだから、いくらモネが大好きといっても普通ならこれはパス。でも、物にはついでいうことがある。名古屋市美の“モディリアーニ展”と徳川美の特別展を見たあと、軽い気持ちで寄ってみた。

作品はモネ(1840~1926)が24点、これにルノワール、ドガ、セザンヌ、シスレー、そしてモネの影響を受けたサージェントなどの絵を加え、全部で約60点ある。まず、モネ以外で収穫のあった絵のことから。ボストン美でチェックリストに入れていたのに見れなかったドガの“ロンシャン競馬場の競走馬”があった。

11頭の馬にうち頭をこちらに向けているのは中景に描かれた3頭のみで、あとは皆お尻を手前に向け、画面奥のほうへゆっくり進んでいる。ドガの関心は競馬のレースそのものではなく、人々が楽しむ競馬場の光景の一コマを切り取って描いている。

目を奪われるのが騎手たちの着ているレース用の服。ズボンはどれも黄色だが、上は鮮やかなピンクや青が多い。また、印象派の技法を取り入れたサージェントの“アトリエの中の芸術家”も熱心にみた。乱れたベッドに注がれる日差しがまぶしいくらいきらきらしている。

モネ作品の大半は過去に見ているが、初見のものが数点ある。その中で、とても魅せられたのが上の“ポプラ並木のある草原”。これは初期の作品。モネの絵で惹かれるのはこういう光にあふれ、底抜けに明るい絵。左に大きく描かれたポプラのむこうに広がる青い空と形のいい白く雲、ポプラの前で咲きほこる青いラヴェンダー、アクセントになっているひなげしの赤。今、すぐにでもこの風景の前に立ちたい衝動に強く駆られる。陽光をあびて赤や黄色、青の花が輝く“ヴェトゥイュの花壇”も見てて飽きない絵。

最後のコーナーに目玉の絵がいくつも飾ってある。真ん中は大好きな絵、“積藁、日没”。積藁の連作のなかではこれほど強烈に光を感じ、強さと輝きをもった色に酔いしれる絵はほかにない。はじめてこの絵と対面したとき、ぐっと引き寄せられたのが大胆な構図。右のほうが画面からはみ出す積藁が至近距離から大きく描かれている。

そして、目が点になるのがその左下にみえるピンクがかった赤。シカゴ美にある“積藁、夏の終わり、夕方”(拙ブログ4/3)も強い光だが、こちらのほうの夕日はさらに強く、目が開けてられない感じ。輝く赤は積藁の向こう側の黄色、影の部分の青と見事なコントラストをなし、フォルムを溶け込ませている。

下は“チャリングクロス橋(曇りの日)、1900年”。霧につつまれるロンドンの町をまだ体験していないので実感がないが、曇った日は霧を貫く光がテムズ川の水面をこのように黄色にみせるのであろうか。橋の手前と向こう側に広がる黄色と鉄橋を走る列車の赤やピンクのまじった煙をしばらく眺めていた。

今年の前半はモネの名作を沢山みることができた。これほど嬉しいことはない。

|

« 茨城県陶芸美術館の荒川豊蔵展 | トップページ | 芸術都市 パリの100年展 »

コメント

今日、モネ展に行ってきました。
わたしも、ポプラ並木の絵が良かったです。
このさわやかな空気を存分吸ってきました。
このまま離れたくないような、いつまででもここにいたいと思わせる絵でした。
そして、テムズ川の絵もあの色合いが最高でした。そしてわたしは、睡蓮の湖面にうつる陰と睡蓮の愛らしさにまいってしまいました。
本当に、モネってすばらしいですね。

投稿: tomato | 2008.07.12 19:17

to tomatoさん
今回の図録は色がよくでていますので、頻繁に
眺めてます。ポプラ並木は本当に夢中にさせ
ますね。青い空、むくむくとした感じの白い雲。
草花畑がゆっくり左にカーブする構図にも痺れ
ます。

tomatoさんもテムズ川に参られましたか。
同感です。最後に飾ってあった睡蓮は以前日本
で見たとき大感激しました。数ある睡蓮のなか
でベスト5に入れてます。

1月、3月に海外の美術館めぐりをして、モネ
の絵を満喫しました。モネコミュニケーション
をさらに広げたいですね。

投稿: いづつや | 2008.07.12 23:27

いづつやさん、ありがとうございます。
海外まで行っていらっしゃるなんて、すごーい。
家に帰っていろいろモネのことを調べたら、
絵は美しい雰囲気を描くのだとおっしゃっていました。
まさに、ぴったりだと思いませんか。
わたしの夢はオランジュリー美術館に行くのが夢です。

投稿: tomato | 2008.07.14 08:49

to tomatoさん
モネの風景画をこよなく愛しています。カテゴリー
の印象派のなかでモネの絵は19点あり、一番多い
です。次がルノワールの12点。

1月、改築なったオランジュリーを再訪する予定で
したが、クールベ展に時間をとられ、諦めざるをえ
ませんでした。また、いつかもモネの睡蓮の大作
をじっくりみたいと思ってます。

モネが好きな方とお話ができるのをとても喜んで
います。今年は西洋画のほうを重点的に書いてます
から、これからもお好きな絵がありましたら、気軽
にお越しください。

投稿: いづつや | 2008.07.14 10:25

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 名古屋ボストン美術館のモネ展:

« 茨城県陶芸美術館の荒川豊蔵展 | トップページ | 芸術都市 パリの100年展 »