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2008.06.22

マティスとボナール展 地中海の光の中へ

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現在、葉山の神奈川県近美で行われている“マティスとボナール展”(5/31~7/27)は川村記念美から巡回してきたもの。期待値はそれほど高くない。理由は単純でボナール(1867~1947)に関心がないから。どういうわけかこの画家の絵には昔から心が動かない。だから、観覧料1200円に見合う内容となると、必然的にマティス
(1869~1954)の作品への期待が大きくなる。

実はこちらのほうもチラシに載っている“赤い室内、青いテーブルの上の静物”(真ん中の画像)は04年の“マティス展”(西洋美)で鑑賞済みだから、プラスαが果たしてあるかどうかは少し不安だった。マティスは大変好きな画家だが、対面する作品にいつも感動しているわけではない。鮮やかな色彩に200%感激するものも沢山あるが、同時に、退屈する絵もこれまた多い(これはピカソにも言えるが)。

国内の美術館にあるマティスでこれまで感激した絵は残念ながら一点しかない。今回出品されている油彩画31点のなかに、それがでている。以前東近美であった“琳派展”で思いがけずも遭遇した“琥珀の首飾りの女”(1937年、ベネッセコーポレーション)。衣装と口紅の赤、大きな目が心をとらえて離さない。

1937年にマティスはいい絵をいくつも描いている。上は大収穫の“黄色い服のオダリスク、アネモネ”。フィラデルフィア美が所蔵するマティスの名作は昨年楽しませてもらった“青いドレスの女”(拙ブログ07/10/13)だけではなかった。奥行きがなく、平面的に塗られた黄や青、赤の色面を釘付けになってみた。この2点に較べると京近美蔵の“鏡の前の青いドレス”は構成があっさりとしていて色彩のインパクトも弱い。

“マティス展”に出品されたのが今回5点あったが、最後のコーナーに飾られている“赤い室内”と切り紙絵“ジャズ”が一際輝いている。マティスが“赤い室内”を描いたのは
78歳のとき。老いてますます色彩が燃え上がるという感じ。赤い壁や床に描かれた黒いジグザグ模様を見ていると、最近みたウングワレーの自由でびやかな線が頭をよぎった。丸テーブルにある果物は切り紙絵で表現されたような極めてシンプルなフォルムをしている。

一方の主役、ボナールの絵は45点ある。ボナールの作品が好きになれないのは構成がごちゃごちゃして対象がはっきりしてないため。また、光と色彩にくらくらした経験もない。これまでパリのオルセー、ポンピドゥーとかNYのメトロポリタン、MoMA、グッゲンハイムなどで代表作といわれるものはそれなりにみているのだが、どうも近づけない。

だが、不思議なことに今回足がとまったのが3点あった。横長の“陽の当たるテラス”と“花咲くアーモンドの木”(ポンピドゥー)はウングワレーの点描を連想させるなかなかいい絵。また、下の“浴槽の裸婦”にドキッとした。バスタブと妻マルトの肌が白いこと!これだけ光を感じられればグッとくる。マルトは一日の半分を浴室で過ごしたという。まったく変わった女性である。

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