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2008.06.20

出光美術館のルオー大回顧展

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出光美術館で今、開催中の“ルオー大回顧展”(6/14~8/17)を見た。今年は海外の美術館でルオー(1871~1958)の作品を見る機会に恵まれなかったのに、国内ではルオーの当たり年。松下電工ミュージアムの“ルオーとマティス展”(拙ブログ4/19)に続いて、出光美でも回顧展が開かれた。出光は約400点のルオー作品を所蔵しており、今回はこの世界的に有名なコレクションのなかから200点が展示されている。

過去ルオーの特別展を何回か鑑賞し、また、ここへ足を運ぶときは必ずルオーの展示室にも寄るから、代表作の多くは目に入っているはず。でもまだみてない油彩でサプライズがあるかもしれないと思い、会場を回った。結果は?既に見ている絵との再会に終始し、初見で足がとまったのは一点しかなかった。これはこの美術館と長くお付き合いをしていることの証だから、仕方がない。お気に入りの絵を2回みて30分で切り上げた。

以前から、“受難”(64点)などの宗教画よりも画面いっぱいに道化師とか娼婦とか裁判官が描かれたものや銅板画集“ミセレーレ”(58点)、“流れる星のサーカス”(17点の内6点)がお気に入り。上は初期の作品“客寄せ”。大きなマッスで表現された道化師二人が向かい合って太鼓をたたき客寄せに励んでいる。

真ん中は全作品のなかで最も魅せられる“小さな家族”。とても大きな絵で縦2.12m、横1.20mある。これはポンピドゥーにある“傷ついた道化師”と並び称される傑作。かたい絆で結ばれた道化師一家はつかの間の休みに心の緊張をほどき、顔をみつめ合っている。ルオーの道化師に寄せる深い愛情がひしひしと伝わってくる。

出口近くのコーナーに飾ってある晩年の油彩画が圧巻!あの絵肌の盛り上がりが一際目立つのが“葉子”、“オネズィーム”、“アルルカン”。なかでも黒の太い輪郭線でふちどられた顔と黄色に重ねられたエメラルド緑が目にとびこんでくる“アルルカン”はいつ見ても強い衝撃を受ける。

絵の前でほっとするのが横顔がとてもチャーミングな“X夫人”と下の目をつむった卵顔の“優しい女”。ブリジストン美にも似たような顔をした“ピエロ”といういい絵があるが、生来女性画にとりつかれているので、色白の“優しい女”のほうに心が傾く。この絵を見るたびにポンピドゥー蔵の美しい聖女“ベロニカ”になんとしても対面せねばと思う。

出光が世界に誇るルオーコレクションをまだ見られてない方はこの機会をお見逃しなく!

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