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2008.06.30

イタリア現代陶芸の巨匠 カルロ・ザウリ展

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東近美で行われている“カルロ・ザウリ展”(6/17~8/3)を楽しんだ。日本の陶芸作家なら全部とは言えないが、かなり知っているが、海外の陶芸家となると実際に作品を見たのはきわめて少なく、イギリスのバーナード・リーチ、ルーシー・リー、ハンス・コパーくらいしかいない。

だから、イタリアのカルロ・ザウリ(1926~2002)のことはまったく知らず、作品の情報はチラシに載っているものだけ。でも、作品の吸引力がとても強く、展覧会に対する関心は高かった。作品は1951年から1991年までの40年間につくられた128点の陶彫とグラフィック、タイル38点。

初期の作品、マジョルカ陶器は巻貝のようなおもしろい形をした壺や目の醒めるような赤い壺が目を楽しませてくれた。1967年あたりから、色彩は“ザウリの白”と呼ばれる灰白色に変わりはないが、形は器物から離れ、彫刻的なオブジェに変わってくる。

上はぐるぐる回ってみた“球体のふるえ”。つい先だって伊豆で美味しくいただいた鮑と卵をミックスしたような形をしている。球体に裂け目の入ったフォルムはかなり前衛的だが、古代魚とか深海に生息する魚にまでイメージは膨らんでいく。

ザウリの生み出すストーンウェアによる陶彫は球体・アンモナイトのようなものから、古代ギリシャ彫刻のヴィーナスが着ている衣装の襞(ドレーパリー)を連想させるものとか、砂漠にはえている細長いサボテンの棘をとったような塔とかいろいろある。

真ん中は1979年の作品“形態のうねり”。灰白色に薄く赤茶色を彩色している。じっとみていて頭をよぎったのが備前焼作家、金重晃介の“聖衣”。同じフォルムの別ヴァージョン、黒褐色の“黒のうめり”が隣にあった。

1981~1991年につくられたもので強く惹かれるのは下の“塔”(部分、1986)。この塔は大きいので、3階の特別展示室に飾ってある。堂々としたオブジェで、ローマのフォロロマーナにある神殿遺跡の柱を彷彿とさせる。この“塔”を含めて会場には15本の“碑・塔”がある。対面するヴァージョンにあわせて、サボテンとか焼き鳥の皮を連想した。

出口近くのところに置いてある“自然”も心を揺すぶる。火山から吹き出た溶岩が山の斜面で冷めて固まったような感じ。ザウリは1990年ころから記憶が薄れていくアルツハイマーの症状がでて、2002年に亡くなった。この展覧会のことは一生忘れないだろう。

なお、この回顧展は8/26~10/26に山口県立萩美術館・浦上記念館でも行われる。

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