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2008.06.08

蜀山人 大田南畝 ー大江戸マルチ文化人交遊録ー

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展覧会のチラシは美術館を訪問し、図録を購入すればほとんど処分する。でも、現在、浮世絵の専門館の太田記念美術館で行われている“蜀山人 大田南畝展”(5/1~6/26)のチラシはなかなかよくできているので、ずっと持っていようと思う。

3年くらい前、野口武彦著“蜀山残雨 大田南畝と江戸文明”(03年12月、新潮社)を読んだので、大田南畝(1749~1823)については少なからず興味がある。だから、この展覧会は文献資料収集の一環みたいなもの。いい浮世絵があるにこしたことはないが、それよりは大田南畝の幅広い文芸活動を示す関連資料や浮世絵作品が収録された図録を入手するのに大きな喜びがある。

狙い通り、狂詩の“寝惚先生文集”や大田南畝が賛をした浮世絵とか谷文晁らとコラボした書画などが沢山あった。上はチラシにも使われている興味深い絵。八百善の二階の座敷で大田南畝が仲間と料理を食べながら歓談しているところ。右側にいるのが74歳のころの南畝。

手前の坊主頭の人物がこの絵を描いた鍬形薏斎(くわがたけいさい)。薏斎(1764~1824)は今年の二月ごろ東博で展示してあった“近世職人尽絵詞”を描いた絵師。南畝の右隣にいるのが書で有名な亀田鵬斎(かめだぼうさい、1752~1826)。そして、左で手を前に出し笑っているのが漢詩の大窪詩仏(おおくぼしぶつ、1767~
1837)。

南畝は“狂歌連”のネットワークの中心人物。その交際範囲は広く、酒井抱一や人気の歌舞伎役者五代目市川団十郎らもお仲間。狂歌師、絵師、文人たちは活発に交流し、その中からいろんな合作が生まれた。

真ん中は酒井抱一、鈴木其一が絵を描き、亀田鵬斎が賛を書いた“松に鶴亀図”。これは所蔵している江戸民間書画美術館で一度みたことがある。ここはNHKの歴史大河ドラマなどでよく重臣の役で出演されていた有名な俳優、渥美國泰氏の個人美術館。

渥美氏は役者であるとともに、江戸絵画の知る人ぞ知る有名なコレクター。とくに亀田鵬斎のコレクションは日本一と言われている。世田谷にある自宅の一部にこれらを飾っておられる。上の八百善の絵も渥美氏の所蔵。もうだいぶお年をとられている渥美氏と懇意にしている友人から声がかかり、みせてもらったというわけ。

4,5点あった歌麿の絵で足が止まったのが下の“水辺で寛ぐ三美人”(太田記念)。色がよくでており、とてもいい気分になった。今回は大田南畝が主役だから浮世絵はこの一枚で充分。

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コメント

こんばんは。
おっしゃっる通り、この展覧会のチラシはよくできて
いました。
色といい、内容と言い、一目で何だろうと思わせます。
東京進出を機に、友の会にも入りました。
後期も楽しんできます。

投稿: meme | 2008.06.10 21:13

to memeさん
今回は前期をパスし、後期だけにしました。
今、通常の浮世絵鑑賞は東博とららぽーと豊洲
のUKIYOーe TOKYOに絞ってます。

企画展はちょっと先ですが、太田記念の“ベル
ギーロワイアルコレクション展”と江戸東博の
“ボストン美浮世絵展”を心待ちにしてます。

memeさんも東京にこられていろいろと美術館を
訪問され、楽しそうですね。

投稿: いづつや | 2008.06.11 12:02

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