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2008.06.29

日本民藝館の陶匠・濱田庄司展

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渋谷の日本民藝館へ定期的に出かけるのは民藝派のやきものをみるため。現在、ここで濱田庄司の没後30年を記念した回顧展(6/17~8/31)が行われている。これまでも濱田庄司の作品は数多く見ているので、特別興奮するということはないが、好きな陶芸家だから、心がはずむ。

作品は1階正面階段の両サイドと2階の企画展室に全部で130点あまり飾られている。濱田のやきものがここにどれだけあるのか聞いたことはないが、雑誌“民藝”などに載っている代表的なものはこれでほとんど鑑賞したような気がする。ちょっと感慨深い。

ここはこういう立派な回顧展を開催しても図録は用意してくれないから、作品の名前と簡単な形を全点メモった。シンドイ作業だが、作品を忘れないために必死に手を動かしている。過去拙ブログで紹介したお気に入りの3点はすべてあった。“緑釉黒流描大鉢”(0412/3)、“赤絵盛丸紋角瓶”(06/7/19)、“青釉押文十字掛描角皿”(07/7/5

これらとやきもののタイプや釉薬の色がダブらないように選んだ“掛分指描火鉢”(上の画像)、“鉄釉丸紋大鉢”(真ん中)、“白釉黒流描大鉢”(下)も心を打つ名品。“火鉢”の模様は黒釉を厚く掛け、乾かないうちに指ですばやく掻き取り、茶褐色の模様を浮かび上がらせたもの。簡単なように見えるが、何度も々もトライしないとこのような力強くてリズミカルな線は生まれてこない。濱田の指はもう自在に動いている感じ。

濱田作品のなかでいつも圧倒されるのが大鉢。今回、7点でている。いずれもすばらしく、所蔵する名品は全部見せてくれてるのではなかろうか。こういう機会は滅多にないから、釘付けになってみた。真ん中の大鉢は黒と茶色の見込みにしっかり描かれている丸紋がなかなかよく、どっしりとしている。同じような丸紋のヴァージョンがもう2点ある。

アクション・ペインティングを思わせる抽象的な文様が見られる“流し描き”は傑作3点が揃い踏み。知恵の輪のような曲線の“緑釉黒流描”、黒の太い線が縦に並行的に流れる“白釉黒流描”、そして下の井桁文の“白釉黒流描”。濱田庄司が得意とするこの流し描きは15秒の瞬間芸。抽象的な文様だが線に勢いがあり、生き生きとした表情なのですごく惹きつけられる。名品の数々に気分が高揚した。

なお、この展覧会は大阪日本民藝館(9/13~12/21)にも巡回する。また、濱田庄司の回顧展は秋にも川崎市市民ミュージアムで開催される(10/4~11/30)。このときは図録が制作されるだろうから、期待して待ちたい。

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コメント

僕もこの特別展行きますが、何で図録を作らないんでしょうね。
民藝館は棟方志功やウィリアム・ブレイクののときはキチンと図録つくっているのにー。
その代り本屋で日本民芸館の収集品の本があれこれ出ていますねー。
ともあれ一点一点メモ書きご苦労様です!

投稿: oki | 2008.07.01 10:21

to okiさん
日本民藝館は資金が充分でないから、図録にお金
がかけられないのでしょうね。ですから、ここで
はいつも手を動かしてます。

okiさんから教えてもらった川崎市市民ミュージ
アムは多分図録があるでしょうから、期待してます。
今回は濱田庄司の名品がほとんどでてます。どうか、
お楽しみください。

投稿: いづつや | 2008.07.01 23:01

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