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2008.06.28

“KAZARI  日本美の情熱”は刺激がいっぱい!

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サントリー美の企画展は開館以来ずっと注目しているが、“KAZARI 日本美の情熱”(5/24~7/13)はパスでもいいかなという気分だった。展示品のやきもの、衣装デザイン、風俗屏風などの多くをこれまでみているのがその理由。

だが、気になってしょうがないのが2点あった。上の国宝“火焔型土器”(新潟県笹山遺跡出土、縄文時代中期)と先端が腕の形をし、その腕が金剛杵を握るという一度みたら忘れられない兜。行くかどうか決断しかねているとき、新日曜美術館でこの展覧会が紹介され、そこでまた興味深いものが出てきた。下の目が点になるほどお面白い“平田一式飾”。この一式飾りに背中を押される格好で、六本木ミッドタウンへ出かけた。

“火焔型土器”は一番最初に同じく国宝の“王冠型土器”と並べて展示してある。これは手元にある“とんぼの本 国宝”(93年5月、新潮社)でその存在を知り、いつか見たいと願っていた。国宝になったのは9年前。東博でいつもお目にかかる縄文土器と較べると、そのエネルギッシュで力強い造形や渦巻き文様は似ているが、こちらのほうが把手の数が多いし、器体の表面に施された模様はより複雑で装飾性も高い。

まず、お目当ての土器をみたから、次は腕の兜をめざした。ところが、展示替リストをみると6/16までの展示だった。見たかった割には行動はアバウト。これでは作品はすっと逃げていく。目の前に飾られている兜はいずれも奇抜さを競っている!東博でもたまにギョッとする形のものを見ることがあるが、これほどバラエティに富んでいない。兎の耳と鯱の形した兜をじっと眺めていた。

作品は期間中全部で335点展示されるから、一生懸命みると日本美術のエッセンス、“かざりの美”をかなり楽しめる。注目してみたのが衣装の模様。肩衣の柄のなかにハットするのを見つけた。真ん中の“福良雀雪輪模様”。雀の飛ぶ姿を真上から捉えているのである。この視点から描かれた鳥の絵はとても珍しいから、同類の絵がすぐ頭に浮かんでくる。それは川端龍子が群雁の飛んでいるのを真上から見下ろすような構図で描いた“南飛図”。

島根県の出雲市平田町に江戸時代から伝わる“平田一式飾り”ははじめてみた。使われている材料がおもしろい。陶器など日用品を組み合わせ、それらを紐や鉄線で結びつけるだけで、材料を変型させたり、穴を開けたりはしない。下の“巨大エビ”は自転車部品でつくられている。生きたエビが動いているよう。自転車の部品を使う発想は並みの感性からはでてこない。

平田の人々が毎年7月に行われる天満宮祭という“ハレ”の日につくる“一式飾り”は遊び心に溢れている。想像がまたあらたな想像を生み、伝統文化と現代性が見事に溶け合った作品が祭りを盛り上げる。なんともうらやましい伝統行事である。

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