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2008.05.27

国宝 薬師寺展

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東博で開催中の“薬師寺展”(3/25~6/8)は会期が残り少なくなってきたから、混雑がひどくなっている模様。この展覧会は4月上旬に出かけ鑑賞済みだから他人事みたいに言ってられるが、5月10日(土)、平常展の浮世絵を見にでかけたときも9時半の時点で、列の最後が入り口から平成館へ向かう20mのところまできていた。“ええー、、ここまで列ができているの!”とにかく国宝“日光・月光菩薩立像”の人気はすさまじい。

展覧会へ行くと帰りにだいたい図録を購入する。図録もいろいろで、やたら分厚いだけですぐ本棚に直行するのもあれば、頻繁にながめてみたくなるスグレモノも時々ある。今回の図録は後者のタイプ。目玉の“日光・月光菩薩立像”、国宝“聖観音菩薩立像”を前から後ろから、全体像、拡大図を目いっぱい見せてくれる。このため、会場で像のまわりをぐるぐる回ってみて目に焼き付けたものが図録をみながらまた鮮明に思い出すことができる。

この特別展を企画した人たちは菩薩像が薬師寺の金堂、東院堂にあるときはよく見れない側面や背面をじっくりみれるように特別な展示スペースを確保し、なおかつレベルの高いライトアップ技術を使ってその美しいフォルムを浮かび上がらせてくれた。これだけでも拍手したいのに、すばらしい写真を多く載せた図録をつくり、世界に誇るこの究極のブロンズ像が体の隅々まで沁みこんでいくのに一役買ってくれる。まさに至れり尽くせりである。

展示されている作品は全部で47点。だから、1時間くらいで見終わる。大きな感動が得られる菩薩像が三点、“八幡三神坐像”、“吉祥天像”があるから、このくらいの数で充分。菩薩像はまず、上の“聖観音菩薩立像”をみて、そのあと“日光菩薩立像”(真ん中の画像)、“月光菩薩立像”(下)へと進む流れになっている。

三像とも薬師寺で過去2回見たことがあるが、こういう展示の仕方で眺めると別物の菩薩像を見ている感じ。絶妙な角度から当たるやわらかい光が菩薩の神々しさを一層引き立てている。腰の捻りがなく、U字形の衣文が左右対称で、両腕や腰あたりにかかる天衣がバランスよく曲がるところなど均整のとれた美を感じさせる“聖観音菩薩立像”に較べると、“日光・月光菩薩立像”のほうはだいぶ柔らかい感じがする。

像の高さは“これほど大きかった?”というくらいある。日光が3.17m、月光が3.15m。これは誰しも思うことだろうが、顔が相対的にデカイ。ともに腰を捻っている。この腰のくびれに痺れる。どういうわけか好みは“月光菩薩”のほう。隣の方もこちらがいいと言う。ふくよかな頬やすっきりしまった胸は同じなのに、“月光菩薩”のほうに惹かれるのはくびれの形、“く”が逆になっているからかもしれない。

すばらしい菩薩像三体を堪能した。今年はこの図録を何度もみることになりそう。

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