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2008.05.21

その二 ホルバイン  ブロンツィーノ  レンブラント

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ここに飾られている絵画はコローやコンスタブル、ターナーが描いた風景画もあるが、大半が聖人、王、貴族、歴史上の人物などを描いた肖像画や人物画。自分の邸宅に飾って毎日ながめていたい絵となると、やはり肖像画なのであろう。昨日紹介したグレコの“聖ヒエロニムス”とベリーニの“聖フランチェスカ”は広間で向かい合う形で壁にかけられている。

その“聖ヒエロニムス”の両隣の暖炉にかかっているのがホルバイン(1497~1543)の描いた上の“トマス・モア”と“トーマス・クロムウェル”。16世紀のころのイギリスにタイムスリップして、屋敷で二人と対面しているみたい。悪役面のトーマス・クロムウェルより無精ひげを生やしているトマス・モアを見ている時間のほうが長い。

ずっしり重みのある顔つきに緊張させられるが、なめらかな質感が見事に描かれたベルベットの袖に目が点になる。ホルバインの力量はとにかくすごい!ロンドンのナショナルギャラリーにあった“大使たち”(拙ブログ2/5)同様、言葉を失う。ダリが描いた“リチャード3世”(06/10/2)を見るといつも思い出すこの絵との再会をこころゆくまで楽しんだ。

この“トマス・モア”と同じくらい魅了されるのが真ん中のブロンツィーノ(1503~
1572)の“ロドヴィコ・カッポーニ”。これは前回見逃したか、見たのに当時は関心がうすいため忘れたためか、記憶にまったくない。だが、今はマニエリスム絵画のなかではブロンツィーノはパルミジャニーノとともにかなり心が傾いている。だから、これとメトロポリタンにある“若い貴族の肖像”と対面するのを楽しみにしていた。

目を奪われるのが気品のある顔と女性のようなきれいな手、そして細部まで丁寧に描かれた黒い上着のひだや後ろの深緑色の布のドレープ。“若い貴族の肖像”にすごく惹きこまれたが、この肖像画の前でも思わず立ち尽くした。ブロンツィーノが描いた女性の肖像画で最も気に入っているのはウフィツィ美術館にある“ルクレツィア・パンチアティキの肖像”だが、男性を描いたものはこの2点がとびぬけていい。

レンブラント(1606~1669)は3点あった。いずれも画集に掲載されている有名な絵。下の“ニコラース・リュッツの肖像”、“自画像(52歳)”(07/1/28)、“ポーランド人の騎手”。レンブラントが25歳のとき描いたのが貿易商のニコラース・リュッツ。

こちらにまっすぐにむけられた眼差しには生気があり、仕事熱心で真面目な人柄がそのままでている感じ。手紙を差し出す動きのあるポーズもこの存在感に富んだ肖像画をより魅力的なものにしている。レンブラントは若くしてもう巨匠の風格を感じさせるこんなすごい絵を描いていた。やはり、大きな画家である。

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