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2008.05.30

畠山記念館と東博が高麗茶碗でコラボ!

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世の中には多くの美術館があり、独自の展示方針で企画展や特別展を実施しているが、時々、複数の美術館が同じテーマで作品を公開することがある。美術館同士は特定のテーマで“一緒にやろうね!”と話し合ったわけではないだろうが、この見かけコラボ現象も関心のあるものだと大変有難い。

そんな思いを強くさせるのが現在、畠山記念館で行われている“細川井戸と名物茶道具展”(4/1~6/15)と東博の特別陳列“高麗茶碗”(4/8~7/27)。畠山記念館では“天下三井戸”に挙げられる上の“井戸茶碗 銘細川”(重文)が展示されている。図録をみていつかお目にかかりたいと思っていたが、やっと登場した。

李氏朝鮮時代(1392~1910)の16世紀頃につくられた高麗茶碗のなかでも、最も格が高いとされるのが井戸茶碗。もとは雑器だったものが、侘び茶の流行で桃山期の武将、茶人に好まれ、沢山日本に入ってきた。そのなかでとくに人気の高かったのが“喜左衛門”、“加賀”、“細川”。

一度見たことのある大徳寺蔵の国宝“喜左衛門”を思い出しながら、“細川”をじっくりみた。明るい枇杷色でゆるやかな碗形がとても美しい。“喜左衛門”は腰のまわりの轆轤目がいくつも残り、高台の梅花皮(かいらぎ、釉薬のちじれのこと)が荒々しいのに対し、“細川”はゆったりした轆轤目で梅花皮もすっきりしている。今回、井戸茶碗はほかに“田中”など5点あった。

ここで一度目を慣らして東博の本館14室へ出かけると、高麗茶碗の楽しみが倍加するのは請け合い。全部で19点あり、茶碗の種類としては、三島、粉引、堅手、井戸、魚屋(ととや)、熊川(こもがい)、彫三島などが一通り揃っている。

真ん中は“大井戸茶碗 銘有楽”(重美)。織田信長の弟、織田有楽(1547~1621)が所持したのでこの銘がついている。赤みのある枇杷色だが、“細川”ほど明るくない。素朴で穏やかな感じのする茶碗である。もう一点の井戸茶碗は“佐野井戸”。

井戸茶碗同様、気に入っているのが“熊川茶碗”。下は“田子月”。これは3年前、五島美術館で開催された“茶の湯 名碗展”で見て、その形に魅了された。腰が丸く張ったところがたまらなくいい。古唐津茶碗にこの形を倣ったものがある。

東博の高麗茶碗の多くは松永安左エ門氏と広田繁氏から寄贈されたもの。高い鑑識眼をもったコレクターのおかげで、こうした名品を楽しむことができる。感謝々!

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