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2008.05.16

東山魁夷展 その二

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東山魁夷展の後期(4/22~5/18)に出品される15点を見るため、先週土曜日に再度東近美へ出かけたら、チケットの購入に長い列ができていた。ここでこういう体験をするのははじめて。あらためて東山魁夷の人気の高さを思い知らされた。明日、明後日は終日、相当混雑するのではなかろうか。入館するのに思わぬ時間をとられたが、中に入ってしまえば、後は楽。前期に大半の作品(拙ブログ4/9)はみているから、今回の15点をみるのには30分もかからない。

ファン気質というのは傍からみれば“ちょっと度が過ぎてない?”というところがたぶんにある。15点が全部が全部魅力いっぱいというのではないから、これを見逃しても気にすることはないのは確か。ところが、好きな画家となるとそうはいかないのである。折角見る機会があるのだから、一応漏れなく見ときたい。“東山魁夷を全部見たぞ!”という達成感だけでなにか満ち足りた気持ちになるのである。

上の最後のコーナーに飾ってある“沼の静寂”は何度もみているのに、いつも立ち尽くしてしまう。そして、“この絵をモネがみたら喜ぶだろうな!”と勝手に想像する。静かな雰囲気のただよう緑のグラデーションがえもいわれず美しく、木々の映りこんだ水面が睡蓮の花を浮かび上がらせている。

同じ部屋にある“静唱”も心に響く。この絵では水面が白と灰色で彩色されているので、林立する木の映り込みがよりリアルにみてとれる。水面が微妙に揺れている感じをだすため、映りこんだ木を畳の目のように細かい横の線を縦にていねいに並べて表現している。霞がうすくたちこめる中、凛として立つ木々の静かな息づかいが聞こえてくるよう。

時間があまったので2階にあがり、もう一度お気に入りの唐招堤寺障壁画“濤声”(下の画像、部分)を見た。この絵の前に立つと、波が岩に打ち寄せ下に落ちる音や波立ちが横に広がり、そしてザブーンと消えていく音が聞こえてくるような気がする。すばらしい波の絵である。

近代日本画家で波の絵がとびっきり上手いのは横山大観、東山魁夷、加山又造。大観の傑作“海に因む十題・波騒ぐ”(2/24)と東山魁夷のこの絵は海の色や波しぶきの描き方がよく似ている。また、加山又造の水墨画“月光波濤”に描かれた岩に激しくぶちあたる波のダイナミズムは東山魁夷の“濤声”に通じるものがある。またいつかこの絵と対面したい。

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コメント

僕は今日最終日前日の夜間開館に出向きました。
だれかが言っていましたが「老人が帰ると思ったら」、若い人や僕みたいな中年男性でやはり混雑、みな考えることは一緒ですね。
さて、前回は画家の音声ガイドを借りたので今回は借りませんでした。
音声ガイドに頼ると肝心の絵をじっくり眺めるのがおろそかになると痛感しましたね。
しかし東山魁夷の絵は画家の心象風景ですから、僕らももう少し落ち着いて静かな環境で鑑賞したいなー。

投稿: oki | 2008.05.17 23:13

to okiさん
東山魁夷の絵は大勢の人に愛されてますね。
チケット売り場には外人も並んでました。
これで3回回顧展を見たことになりますから、
主要な作品はほとんどみました。これからも
ずっとつきあっていきます。

投稿: いづつや | 2008.05.18 10:57

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