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2008.05.19

名古屋市美術館のモディリアーニ展

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現在、名古屋市美術館で行われている“モディリアーニ展”(4/5~6/1)を存分に楽しんだ。感想を書く前にまず、名古屋のあと巡回する美術館のことにふれておきたい。
★姫路市立美術館:6/8~8/3
★岩手県立美術館:8/12~10/5

名古屋市美術館が開館20周年を記念する企画展にモディリアーニの回顧展を選んだのはわかりすぎるくらいわかる。なにしろここにある“おさげ髪の少女”(下の画像)は代表作のひとつに数えられる名作。だから、館の目玉作品として常日頃展示しているこの少女に感謝をこめて、世界中から名作のお仲間を集めてきたのだろう。作品は油彩30点、水彩・素描30点。少女もさぞかし満足しているにちがいない。

日本で西洋画家の一級の回顧展を開催するのは容易なことではない。国立西洋美術館とは美術館の規模がちがう名古屋市美が世界的に名の通ったモディリアーニの作品をこれほど多く集めてきたのはもう大快挙!拍手々。

上は追っかけていた“髪をほどいた横たわる裸婦”。これを所蔵しているのは大阪市近美準備室。大阪市近美はなかなかできずお気の毒だが、準備室がこれまで購入した西洋画の質はびっくりするほど高い。この裸婦も自慢の作品。画集に載っている代表的な裸婦図を見較べてみて、見たい度NO.1はこれとミラノの個人蔵となっている“バラ色の裸婦”。

その絵が目の前にあるのだから、体が熱くなる。大きな目をした女はティツィアーノの“ウルビーノのヴィーナス”(拙ブログ4/11)と同じポーズをして、こちらをじっと見つめている。息を呑んでみた。隣のアントワープ王立美からやってきた“座る裸婦”がまたすばらしい。その目の迫力は“横たわる裸婦”と変わらない。

着衣画で心を打つのが気の強そうな性格がすごく伝わってくる“アルマイサ(アルジェリアの女)”(ルートヴィッヒ美)、真ん中の“召使いの少女”(オルブライト=ノックス美)、そして下の“おさげ髪の少女”。“召使いの少女”は作品中一番大きな絵で、縦1.53mある。目に瞳が描いてない女性は退屈な気持ちになり、絵に引き込まれないが、この少女は瞳がなくてもぐっと向かい会える感じ。これは目が大きく描かれているから。

豊富な資金と高い鑑識眼をもったアメリカ人コレクターが集めたモディリアーニの名作が現在、シカゴ、ワシントンナショナルギャラリー、メトロポリタン、オルブライト=ノックス、MoMA、グッゲンハイムなどにおさまっている。その名作のひとつが楽しめるのだから、これほど嬉しいことはない。

名古屋に住んでいたとき見たことのある“おさげ髪の少女”と再会したのも感慨深い。半開きの口から白い歯がみえる少女の顔が実に生き生きしている。髪の毛、椅子の背、後ろのドアに使われた茶色と肌の色、衣服の赤の配色がいい感じで、見ててとても愛着を覚える。

ここでとりあげた作品以外にも魅了されるのがいくつもある。満足度200%のすばらしい回顧展だった。名古屋市美に感謝!

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