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2008.05.07

その五 カラヴァッジョ  ラ・トゥール  レンブラント

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日本では今、伊藤若冲が大ブレイクしているが、欧米ではカラヴァッジョ、フェルメール、ラ・トゥールが高い人気を誇っている。3人の現存する作品はあまり多くないから、愛好家にとっては作品を所蔵している美術館は聖地みたいなもの。

ヨーロッパとアメリカにあるブランド美術館をこの3画家の作品で評価してみると、メトロポリタンとルーヴルには高い点数がつく。メトロポリタンはカラヴァッジョ2点、ラ・トゥール2点、フェルメール5点。ルーヴルはカラヴァッジョ3点、ラ・トゥール7点、フェルメール2点。

これに対し、ロンドンのナショナルギャラリーはカラヴァッジョを3点、フェルメールを2点もっているが、ラ・トゥールはない。また、ワシントンのナショナルギャラリーにはフェルメール4点、ラ・トゥール1点あるが、カラヴァッジョはなし。ボストン、シカゴは3人に関してはまったく所蔵してない。

前回ここを訪問したときはカラヴァッジョ(1571~1610)には目覚めてなかったから、上の“合奏”や隣に飾ってある“リュート弾き”はまったく記憶が無い。だが、このたびは再接近してみた。“合奏”ではリュートを弾いている色白の少年の顔がピンク色に染まっているのが強く印象に残る。葡萄や楽器、楽譜の写実的な描写に釘付けになるが、リュートを弾いている少年と右にいる二人がくっつきすぎてる感じ。3つの頭の並び具合がどうも窮屈。真ん中でこちらをみているのはカラヴァッジョ自身。

リュートを弾く若い歌手を描いた絵はエルミタージュ美術館にもあるが、先に描かれたエルミタージュのほうがかなりいい。カラヴァッジョの24歳のころ制作した風俗画のなかでお気に入りはエルミタージュの“リュート弾き”、ロンドンナショナルギャラリーにある“トカゲに噛まれた少年”、そしてテキサス・フォートワース、キンベル美術館が所蔵する“いかさま師”。次のターゲットは画集でみてもすごく魅了される“いかさま師”。なんとしてもこの絵を見てみたい!

ここにあるラ・トゥール(1593~1652)2点は全作品のなかでも上位にはいる傑作。真ん中の“ふたつの炎のあるマグダラのマリア”と“女占い師”。“女占い師”は前回見たのをどういうわけかよく覚えていて、再会を楽しみにしていたのだが、残念なことに展示されてなかった。人気の高い作品だから引っ張りだこなのだろう。

“マグダラのマリア”に描かれているろうそくは鏡に映っているので二本あるようにみえる。ルーヴルのマリア(拙ブログ3/30)やワシントンナショナルギャラリーのマリア(4/13)が手で頬づえをついているの対し、こちらは両手を組んで髑髏の上においている。ろうそくの横にある真珠の見事な質感描写とろうそくの光に照らされ闇の中に浮かび上がるマリアの美しい横顔と上半身を息を呑んでみた。

ロサンゼルスへはまだ行ったことがないのだが、カウンティ・ミュージアムには“ゆれる炎のあるマグダラのマリア”があるから、いつかこれも目の中にいれようと思う。

大きな美術館はどこもレンブラント(1606~1669)の質の高い名作をいくつももっており、ここには35点ある。必見リストに下の“ホメロスの胸像を眺めるアリストテレス”、“フローラの姿のヘンドリッキェ”、“自画像(53歳)”、“沐浴のパテシバ”など8点をコピーしていたが、その倍の15点みることができた。

二重丸をつけていたのが“アリストテレス”。期待通り、迫力満点の肖像画だった。右の肩からかけている金鎖はアレクサンドロス大王の家庭教師だったアリストテレスが大王から貰ったもの。ゴールド、青、シルバーで描写されたこの鎖の質感と豪奢な衣服の袖に目を奪われる。肖像画の名手、レンブラントに惚れ直した。

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コメント

レンブラント「ホメロスの胸像を眺めるアリストテレス」の顔がカラヴァッジョの「聖ウルスラの殉教」のフン族の王アッティラの顔にあまりによく似ているカラヴァッジョ作かと思いました。

投稿: mikeran | 2008.05.08 20:52

to mikeranさん
はじめまして。コメント有難うございます。
手元にあるカラヴァッジョの画集や美術本に
“聖ウルスラの殉教”がないものですから、
比較できないのですが、探してアッティラ王
の顔をみてみます。

これからもよろしくお願いします。また、
気軽にお越しください。

投稿: いづつや | 2008.05.08 22:44

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