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2008.05.20

フリック・コレクション その一 ヤン・ファン・エイク  ベリーニ  グレコ

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メトロポリタン美術館から歩いて15分くらいのところにフリック・コレクションがある。前回ここを訪れたのは18年前で、そんなに長い時間いなかったから、この邸宅の入り口から部屋の配置まで情けないくらい忘れている。が、鑑賞した作品については、色のよくでた大きめの図録(英文)のお陰で半分くらいは覚えているから不思議。

鉄鋼王のヘンリー・クレイ・フリック(1849~1919)が住んでいた豪華な邸宅の中に入れるだけでも嬉しいのに、フリックが収集した珠玉の名画や18世紀のフランスの家具や陶磁器、ブロンズ小像をとてもくつろいだ気分でみられのだから、贅沢モード全開といったところ。で、究極のプライベイトコレクションをできるだけ多く紹介したい。

15の部屋や廊下に展示してある絵画はルネサンス、バロック、ロココ、新古典派、イギリス、スペイン、オランダ絵画、印象派の一級品。上はヤン・ファン・エイク(1390~
1441)の“ヤン・フォスの聖母子”。聖母子にかしずいているのがこの絵の制作を依頼した修道士ヤン・フォス。後ろの赤いマントを着ているのは聖バルバラで、右できらきらする質感が見事にでている王冠を手にもっているのは聖エリザベート。

背景に描かれた川、橋、舟、都市の景観はルーヴルにある“ロランの聖母子”とよく似ている。ロンドン、パリ、ワシントン、NYで見たヤン・ファン・エイク絵画の輝く色彩と質感を微妙に表現する神業的な細部描写に200%感動した。一生の思い出である。

真ん中はフリックコレクションの至宝、ベリーニ(1430~1516)の“聖フランチェスカ”。前回最も感激したのがこの絵。以来、ベリーニをイメージする3枚の絵のひとつになった。ちなみにほかの2枚はロンドンのナショナルギャラリーにあるすばらしい肖像画“統領レオナルド・ロレダン”と親しみやすく人間味あふれる聖母子像が描かれた“聖カタリナとマグダラのマリアのいる聖母子”(ヴェネツィア、アカデミア美)。

“聖フランチェスカ”で視線が集まるのが左上から岩肌を照らす光のほうにむかって大きく手を広げるフランチェスカの姿。手のひらに“聖痕”(キリストが受難の際に手足に受けた傷)を授かる奇跡の場面をこれほど劇的に表現した絵はほかにない。また、克明に描かれたフランチェスカのまわりの石ころとか左奥の遠景にみられる小道や木々の葉にも目を奪われる。

下はフリックの生存中そのままの状態で残されている広間にあるグレコ(1541~
1614)の“聖ヒエロニムス”。これは5点存在する“聖ヒエロニムス”のひとつで、メトロポリタンのものとここのがベストと言われている。レーマンギャラリーで見た時同様、枢機卿が着ている礼装の朱赤が目に飛び込んできた。本当にいい肖像画をみた。

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