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2008.05.16

その十三 マネ  モネ  セザンヌ

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メトロポリタンの印象派コレクションは質が高いだけでなく、数の多さに驚かされる。展示室の中には大勢の人がおり、オルセー同様、“今、ここで最高レベルの印象派絵画を見ているのだ!”と気分も高揚してくる。

マネ(1832~1883)は上の“舟遊び”、“庭のモネの家族”、大きな肖像画“夫人とおうむ”など6点あった。お気に入りは“舟遊び”。はじめてこの絵をみたとき、一番びっくりしたのが構図。舟の舳に男女を大きく描き、舟のほかの部分がカットされているから、浮世絵の影響があきらか。ボート遊びはマネのほかにもモネ、ルノワール、カイユボットなども描いているが、この絵に最も惹かれる。横向きの女性は心からくつろいでいる感じ。

真ん中はわがモネ(1840~1926)が27歳のころ描いた“サン=ダドレスのテラス”。強烈な光が強く印象に残る絵で、お気に入りの一枚。日差しの強いとき野外でよく体験する光と影の光景はちょうどこんな感じ。印象派は光の変化によって物の見え方が変わることをカンヴァスのなかで表現した。さわやかな風が心地よさそうにみえ、光があたり鮮やかに輝く花の黄色や赤、そして海の青が目に焼きつく。

モネもマネ、ドガ、ゴッホ、ゴーギャン、ロートレックと同じく浮世絵の鮮明な色彩、大胆な構図に魅せられていたから、浮世絵の描き方を積極的に取り入れた。この絵で参考にしたのは北斎。画面の半分を占めるテラスとそこに4人の人物を配する構成は北斎の“富岳三十六景・五百らかん寺さざゐどう”とよく似ている。

モネ作品は全部で18点。ほかでは“冬の積みわら”、“睡蓮”、“睡蓮の池”、“ポプラ”、“ラ・グルヌイエール”、“サン=マルタン島の小道”など馴染みの名画とも再会した。今回の収穫はリストで二重丸をつけていた迫力満点の絵“エオトルタのマヌポルト”。思いの丈が遂げられてとてもいい気分。

セザンヌ(1839~1906)は6点あった。このうち4点は前回の記憶がよく残っている。人物画の“赤いドレスをきたセザンヌ夫人”、“温室内のセザンヌ夫人”、“カード遊びをする人々”、そして下の“レスタックからみたマルセイユ湾”。どれも好きな絵。ここの“カード遊び”はオルセーのもの(拙ブログ2/17)とは異なり3人でやっている。

セザンヌの描いた風景画で好きな3枚はこの絵、フィラデルフィア美蔵の“サント=ヴィクトワール山”、コートールドコレクションの“大きな松の木のあるサント=ヴィクトワール山”。まだ、フィラデルフィアのものはお目にかかってないが、ここ数年のうちにと思っている。

“レスタック”はすっきりした構図がなかなかいい。色調が強くなく、セザンヌの絵の特徴である堅固で三次元的な形体がすこしゆるいので、わりとゆったりとした感じで対面できる。

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