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2008.05.03

メトロポリタン美術館 その一 ジョット  サセッタ  ジョヴァンニ・ディ・パオロ

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本日からNYのメトロポリタン美術館です。また、しばらくお付き合いください。

ニューヨーカーに“MET”(メット)の愛称で親しまれているメトロポリタン美を訪問するのは3度目。前回は15年前だから、しっかり覚えている展示空間は1階のエジプト美術、“デンドゥールの神殿”ぐらいなもので、印象派など目に焼きついている作品についても何処でみたかは見事なくらい忘れている。

館内は広く、1階と2階にエジプト、ギリシャ・ローマ、イスラム、アジア、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、20世紀美術、中世、武器・甲冑、楽器、コスチュームなど16の展示エリアがある。今回はルーヴル同様、絵画に絞って効率的に回ることを事前にシミュレーションしていたが、実際は目がまわるくらい沢山の部屋があり、また、工事のため封鎖中の部屋があったりするから、途中で一体どこをどう動いているのか頭がこんがらがってくることがしばしば。

絵画だけに限定し、必見リストにある名画を中心に見る作戦だったが、それでも見終わるのに5時間かかった。ツアーの行程ではここの鑑賞時間は3時間。予定ではこのあとの自由行動はグッゲンハイム、フリックコレクションの流れだったが、ここで2時間使ってしまったので、一度行ったことのあるグッゲンハイムはパスせざるをえなくなった。あらためて、メトロポリタンが超ビッグな美術館であることを思い知らされた。疲れはしたが、すごく充実した鑑賞体験だったので、これから感動の名画を目一杯紹介しようと思う。

ここの展示の仕方は少し変則的なところがある。というのも、コレクターの寄贈品のなかでも、一部のコレクターの場合、例えばロバート・レーマン・コレクションやリンスキー・コレクションなどは専用のギャラリーで展示されているから、2階のヨーロッパ絵画のコーナーでルネサンス、バロック、印象派などを見てもう済んだとのんびりしていると、1階中央奥にあるレーマン・コレクションのグレコ、ゴヤ、アングル、ルノワールのとびっきりの名画を見落とすことになる。これから訪問される方はこのことをくれぐれもお忘れなく!

今回リカバリーしたい作品をリストアップするのに役立ったのが04年にBS2で放送された特集“メトロポリタン美術館”。この番組を収録したビデオを出発前によくみて狙いの作品を事前に目になかに入れておいた。また、リストの中には購入した図録(英文、15年前は日本語版がなかった)、画集から得た情報もたっぷり入れてある。

ここにはダ・ヴィンチの絵はないが、ルネサンス絵画の質、数はワシントン・ナショナル・ギャラリーと同じくらい充実している。ジョット(1267~1337)はワシントンにはウフィツィ美術館にいるような気分になる名作“聖母子”があるが、ここの自慢は上の“三賢王の礼拝”。これはジョットが画家としての名声を確たるものにしていた53歳のころの作品で、他の三賢王の構成と違い、一番年上の博士は跪いて幼子キリストを手で持ち上げている。

真ん中と下は二重丸をつけていた作品。ともにシエナ派の画家で真ん中がサセッタ
(1392~1450)の“東方三博士の旅”。キリスト降誕のおり、東方から星に導かれてやってきた三博士の旅の情景が描かれている。惹きつけられるのが人や鳥の動感描写と奥行きを感じさせる構図。馬に乗って山道を下る一行の様子がとても印象的で、左の山の頂上付近にいる二羽の鳥や空を飛翔する鳥にも見入ってしまう。

下はジャヴァンニ・ディ・パオロ(1417~1482)が描いた“天地創造と楽園追放”(レーマンギャラリー)。右のほうに描かれている天使がアダムとイヴを楽園から追放する場面はすっと頭の中に入るが、一体何を表現しているのか?となるのが左の横向きで空を飛んでいる神とその下の鮮やかな赤や黄色、青、紫の輪がいくつもある円。こんな構成はこれまで見たことがない。

これは世界の成り立ちを教えるもの。このころはまだ天動説が信じられていて、円は惑星を表しており、赤の円は太陽。小さな絵だが、一生の思い出になりそう。

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