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2008.04.21

その二 カナレット  ヴァトー  ブーシェ

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現在、ボストン美術館はルネサンスや近代絵画や現代アートの作品が飾ってある部屋は工事で封鎖されている。このため、前回はまったく関心の外にあったのに最近のめりこんでいるクリヴェリの細密画やファン・デル・ウェイデンの“聖母子を描く聖ルカ”とは対面できなかった。

ルーヴルの“大作の間”をすこしスケールダウンした部屋にあったティツィアーノ、ティントレット、そして昨日紹介したグレコ、ベラスケスなどをみたあと向かったのが17世紀、18世紀西欧絵画のコーナー。上はカナレット(1697~1768)の“ヴェネチア風景”。

水の都ヴェネチアを描いたカナレットの作品はこれまで日本で開かれた展覧会などでも何度かみたことがあるから、ロンドンのナショナル・ギャラリーでもはじめはそれほど目に力をいれてなかった。が、そこにあるのは絵のサイズが大きく、精細さのレベルがワンランク上の感じ。だから、“これはすごい!”と心の中でつぶやきながら、明るい光、なめらかな仕上がり、白の線で丁寧に表現された波の揺らぎを夢中になってみた。

この絵も一級品。ロンドンでみたときと同じくらい感動した。1730年代、40年代イギリスでは“グランド・ツアー”が流行し、ヴェネチアへ旅行したイギリス人は皆カナレットの絵をお土産に買って帰ったという。また、カナレットが1740~50年代イギリスに滞在したときには、多くの人が田舎の邸宅の眺めを描いてもらっている。それらがナショナルギャラリーに寄贈され一大コレクションになっているのである。この絵もヨークシャー地方の城にあったもの。

ロココ絵画で魅了されたのが真ん中のヴァトー(1684~1721)の“公園からの眺め”と下のブーシェ(1703~1770)の“市場からの帰り”。ヴァトーの絵は愛のファンタジー画。おとぎ話にでてくるような公園には何組かの男女のカップルがいる。女性が当世風のきらめく絹の衣装を着ているのに対し、男性のは17世紀の衣装。

目が釘付けになるのが手を横に広げた男としゃべっている女性。うなじから背中をとおる線がきりっとした美しい立ち姿にうっとり。フランス的な身振り、態度はヴァトーによって決定されたと言われ、ドガもヴァトーからシルエットの美しさを学んでいる。

ブーシェの大きな絵の前では全身が雅なロココモードに包まれる。真ん中と右下に白い肌がまぶしい若い女性、そして左には動感のある男を配して三角形の安定した構図をつくり、3人のまわりには牛や羊、愛らしい子供たちを描いている。優美で明るく軽妙な空気の漂う田園風景に心がふわふわしてくる。

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