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2008.04.09

その七 ホーマー展  オキーフ

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アメリカ人画家、ホーマー(1836~1910)のいい絵をオルセー(拙ブログ2/21)でみたばかりだから、通路をはさんでホッパー展の反対側で行われている“ホーマーの水彩画展”にも心が動く。これはこの美術館独自の企画展で、全米の美術館や個人が所蔵する水彩画、素描140点あまりが展示してある。大半は水彩画であるが、油彩も数点あった。

アメリカの美術館めぐりだから、普段見る機会がほとんどないアメリカ絵画の名画は見逃さないよう各美術館ごとにリストアップしていた。注目の画家は昨日取り上げたホッパー、ホイッスラー、サージェント、ホーマー、オキーフの5人。シカゴ美術館はホーマーの情報がなくNOマークだったのに、会場をまわってみるといい絵がいくつも目の前に現れた。

上は水彩画ではなく油彩画だが、ここの図録にも掲載されている“漁網”。小さな舟で漁をする2人の漁師が魚のかかった網を力いっぱい引き上げている。魚の鱗のきらきら光る質感と大きく揺れる波の動感描写に釘付けになった。ホーマーは海洋画の名手。手元にある画集に3点いいのがあったから、対面を楽しみにしていたが、先走っていうと、結果は1勝2敗。メトロポリタンの“メキシコ湾流”は見れたが、ワシントンナショナルギャラリーにある北斎の海の上を飛ぶ鳥を参考にして描いた“右に左に”とボストンが所蔵する“すべてOK!”と大きな声をあげている船の見張り役の男を描いた作品は残念ながら見当たらなかった。

ホーマーは40代に入ってイギリスに行き、漁師の厳しい生活を間近にみたのがきっかけで、海や海で働く人々を描くようになる。真ん中の水彩画“風の強い日”(メトロポリタン)でも足がとまった。前掛けが後ろにとばされるほど風が強いため、前に進むのもきつそうな女を二隻の船の間にもってくる構図がなかなかいい。これはNYでみる予定だった絵だが、これほど惹きこまれるとは思わなかった。

会場にはホッパー展には負けるものの大勢の人がいたから、ホーマーはホッパー同様、アメリカ人に愛されている画家にちがいない。次のターゲットは海洋画の傑作の一つに数えられている“八点鐘”(アディソンギャラリー)と救難隊員が難破船から女性を救い出す場面を描いた“ライフライン”(フィラデルフィア美)。

特別展のすぐそばにあるのがアメリカ絵画。時間がないのでお目当てのオキーフ
(1887~1986)の絵だけをみた。下は94年のシカゴ美展にもやってきた“牛の頭蓋骨とキャラコ地のバラ”。オキーフは大好きな女性画家だけれど、これまで見た作品は両手もいかない。少ない鑑賞体験の割にはこの画家のイメージは強烈に体の中に染みこんでいる。それは牛の頭蓋骨と大きな花。

前回のボストン美訪問で感動した“白いバラNo.2”や昨年のフィラデルフィア美展に出品された“ピンクの地の2本のカラ・リリー”は一生忘れることのないすばらしい絵だし、再会した“牛の頭蓋骨”も心の中を大きく占領する。この絵の横にあった“黒い十字架、ニューメキシコ”は抽象と具象をミックスした不思議な絵。図録にはこちらが載っているが、十字架が大きすぎてあまりぐっとこなかった。

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