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2008.04.18

フリーア美術館 その一 尾形光琳  葛飾北斎  高麗青磁

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スミソニアン協会本部の隣にあるフリーア美術館を訪問するのが長年の夢だった。夢のど真ん中にあるのが俵屋宗達の“松島図”。アメリカへ出発する前、美術館のHPを開けばこの絵が展示してあるかどうかはわかるのだが、美術館に入ったときのサプライズのためにあえてこれを見なかった。

はたして、わが愛する琳派の最高傑作は目の前に現れてくれたか?入館する前、飾りつけのバナーに絵の一部が描かれていたから、“これは展示されているかも?!”と色めきたったが、ううーん、ダメだった。残念、残念!見れる確率は30%くらいと思っていたからこれは仕方がない。

ここには“松島図”のほかにもチャールズ・ラング・フリーア(1854~1919)が蒐集した日本画の傑作が沢山ある。それらがもし出ていたら見逃すと悔いが残るから、事前に美術本でフルチェックしていた。ざあーっとあげてみると、

★宗達 “雲龍図”、“扇面貼付屏風”
★尾形光琳 “群鶴図屏風”、“伊勢物語図”、“菊流水・蔦の細道図団扇”
★酒井抱一 “三十六歌仙図屏風”
★鈴木其一 “白椿・薄野図屏風”
★狩野永徳 “琴棋書画図屏風”
★狩野山楽 “花鳥図屏風”
★狩野光信 “玄宗・楊貴妃図屏風”
★円山応挙 “雁図”
★英一蝶 “田園風俗図屏風”
★渡辺崋山 “佐藤一斎像”
★喜多川歌麿 “月見の座敷図”(肉筆画)
★葛飾北斎 “富士と笛吹童子”、“波濤図”、“海浜富士遠望図屏風”、
  “富士の見える田園風俗図屏風”(すべて肉筆画)。 

いずれも図版をみるかぎりどうしようもなく見たくなる絵。このなかで二重丸は宗達の“雲龍図”、光琳の“群鶴図”、応挙の“雁図”、そして歌麿と北斎の肉筆画。

館内は中国、日本、インド、イスラム、ホイッスラーコレクションなど20の部屋からなり、日本美術は4つの部屋に展示されている。作品は快慶の“菩薩坐像”などの仏像、“阿弥陀二十五菩薩来迎図”、日本画、浮世絵(今回は相撲絵)、陶磁器など。こういう展示の構成だから、リストに載せていた絵画では宗達の“扇面貼付屏風”、上の光琳
(1658~1716)の“群鶴図屏風”しか見れなかった。

“群鶴図”(六曲一双、上は左隻)はコンディションが少し悪いが、金地に様式化した鶴を横にリズミカルに配置する構成に魅了される。江戸琳派の酒井抱一、鈴木其一はこの絵を模写しており、其一の絵は06年東博で開催されたプライスコレクション展に出品されたので記憶に新しいところ。

北斎(1760~1849)の“富士と笛吹童子”(拙ブログ06/3/22)と対面できなかったのは残念でならないが、真ん中の“雷神図”と“玉川六景”(ともに肉筆画)がみれたのは大変ラッキーだった。この2点は06年の3月から5月にかけて、フリーア美術館と同じ敷地内にあるサッカラー美術館で開かれた北斎展に出品された肉筆画40数点のなかに入っているものだし、東博の図録で惹きつけられた躍動感あふれる雷神図と遭遇したのは大きな収穫である。

もうひとつのサプライズが下の“高麗青磁辰砂彩水注”(1250年)。13世紀に流行した辰砂彩は銅が紅色に発色するが、安定した発色を得ることがなかなか難しい技法。筍の皮を縁どったような鮮やか紅色と形のよさに200%感動した。

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