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2008.04.06

その四 ロートレック  ドガ  モディリアーニ

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訪問するアメリカのブランド美術館にロートレック(1864~1901)のいい絵が沢山所蔵されていることが事前につくった必見リストでわかっているので、ここシカゴ美でも期待をこめて作品に向かった。展示してあるのは上の“ムーラン・ルージュにて”と“フェルナンド・サーカスの曲芸師”の2点。もう一点“ムーラン・ド・ラ・ギャレットにて”というのもリストに載せていたが、これは残念ながらなかった。

手元の画集をながめながら、いつかみたいと願っていたのが“ムーラン・ルージュにて”。油彩のなかではこれが一番いいと思っているから、本物の絵の前に立てたことが嬉しくてたまらない。ほかの作品に較べ、特別丹念に仕上げられている感じがする。見たくてしょうがなかったのが画面右、下からのライトを浴びて浮かび上がる女性の仮面のような顔。髪の毛やライトで輝いているところは黄色で、ライトを反射しているところは緑で描かれている。このハッとする色の対比がなんとも不気味。

前景の左右に木の手すりと女性を配して画面を切り取るのは明らかに浮世絵の影響。手すりによって視線は中央のテーブルに座っている5人の男女のところへ導かれ、そしてその後ろの小さな男の横顔にむかう。よくみるとロートレック自身である。隣の背の高い男は従弟。帽子を被った4人の男の頭が手すりと平行に斜めの線となって並んでいるところも強く印象づけられる。ロートレックの後ろにいる女性はムーラン・ルージュの踊り子で、鏡の前で髪のお手入れの真っ最中。

パリのオルセーでドガの作品を熱心に見たが、これはアメリカでも変わらない。この際、ドガを見尽くすぞ!という気持ちを保ち続けている。絵の追っかけでも“求めよ!さらばあたえられん”、“志(こころざし)あるところに道あり!”現象はある。ここのドガの収穫は真ん中の“婦人帽子店”。図版でみて、よさそうな絵だなと思っていたが、実際魅力のある絵だった。

この絵の主役はきれいな飾りのついた大きな婦人用の帽子。店員はその帽子をひとつとり、唇に小さなピンをくわえ、右手には手袋をして丁寧にチェックしている。婦人帽子店におけるさりげない光景がスナップ写真のように切りとりられたこの絵をしばらく見ていた。二重丸をつけていた“オペラ座のバレエ”や“舞台の踊り子”とも対面できたら申し分なかったが、そう理想通りにはいかない。でも、ドガはボストンやメトロポリタンにも名作が揃っているから、楽しみはまだ続く。

下はモディリアーニ(1884~1920)の“ジャック・リプシッツ夫妻”。これは画集に出ているので是非とも見たかった絵。自分の結婚記念に絵を依頼したリプシッツはモディリアーニの友人でユダヤ人彫刻家。新妻の黒い大きな瞳とどんぐりのような形をした顔、後ろに立って妻の肩にそっと手をかけているリプシッツのポーズが強く印象に残る。もう一つ、期待していた“ポンパドゥール夫人”は見れなかったが、“リプシッツ夫妻”がこれまでみたモディリアーニのなかでは上位に入るいい絵だったので、よしとした。

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