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2008.04.16

花下遊楽図屏風 & 四条河原遊楽図屏風

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東博本館の国宝室で久しぶりに狩野長信作“花下遊楽図屏風”(3/25~4/20)をみた。同じ国宝で狩野秀頼が描いた“観楓図屏風”のほうは毎年のように展示されるのに、この風俗画はなかなか姿を見せなかった。はじめてお目にかかったのはもう16年前だから、04年横浜に戻ってきたとき、この絵との再会を切に願っていた。でも、なかなか実現せず、4年経ってようやく対面することができた。

これを頻繁に展示しない理由がわからないのだが、それは屏風のみてくれにあるのかもしれない。六曲一双の屏風の右隻三・四扇は関東大震災で焼失したから、そこだけがぽこっと空いている。学芸員はこんな屏風の美しくない姿をあまり見せたくないと思っているのだったら、その気持ちはよくわかる。それともコンディションの問題?

上は左隻(部分)で綺麗な衣装を着て踊っているのは男ではなくて男装した女たち。全部で8人いるが左右4人ずつでグルーピングされている。右のグループのほうが一人々が互いに重ならないように描かれているので、体の動きや身のこなし方をしっかり目に焼きつけられる。一番動きのある姿で描かれているのが右から二番目の麗人。刀を首のところにまわして両手でもち、腰を思いきり左のほうへつき出している。それに呼応するかのようにその左隣にいる男は綱引きをしているような格好で左の足をすこし上げ、重心をうしろのほうへもっていっている。

左のグループの四人は衣装の色が地の土色と似ていることと、互いの間隔が狭いので、踊っている様子にいまひとつインパクトがない。よくみると体の形は右のほうの四人と似てなくもない。ここでも目がいくのが扇を手にして右の赤い着物の男のように、体を大きき横に曲げて踊っている男。こういう風流踊りの絵をみるのは実に楽しい。

静嘉堂文庫で行われている“遊びと装い展”(4/12~5/25)に修復の終わった“四条河原遊楽図屏風”(重文)が展示されるというので初日にでかけた。前回見たのは03年の10月。この展示の後、屏風の全面的な修理がなされていたので4年半ぶりの登場である。パネルで修復された箇所の前と後の変化が解説されていたが、確かにコンディションは前よりずっと良くなっている。

これは二曲一双の屏風で、400年前、京でもっとも賑やかな場所だった四条河原界隈が描かれている。真ん中は左隻のほう。右の川は鴨川。川は右隻の左上にも描かれており、男が投網しようとしているところや別の男が魚のかかった網を引き上げているところなどがみえる。この青く流れる鴨川をへだてて、ふたつの遊女歌舞伎の舞台とさまざまな芸能や見世物小屋が並び、流行のエンターテイメントをもとめて大勢の老若男女が行き交っている。

左上の舞台で華麗に踊っている女たちの白い顔はみなきれいに描かれている。そして、この晴れやかな舞台を色鮮やかで洒落た意匠の模様をした衣装に身をつつんだ男や女たちが熱いまなざしで眺めている。下は見世物小屋のひとつ、風流笠をつけた尺八演奏。客は生け花と尺八を一緒に楽しめるのだから、風流きわまりない。これをみると日本の芸能の伝統というのはすごいなと思う。小屋はほかに四つある。おもしろい動物もいるからこれは見てのお楽しみ!

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