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2008.02.18

その二 マネ  モネ  ルノワール

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二度目となるオルセーには3時間いた。はじめは2時間くらいで見終わるかなと思っていたが、続々と現れる名作を前にすると、前回時間をかけてみたものでもやはり足がとまってしまう。リストに載せている作品の少ないマネ(1832~1883)の場合、“笛を吹く少年”や“エミール・ゾラ”はさらっとみたが、上の代表作“草上の昼食”や“オランピア”、美しいモリゾに惹きつけられる“バルコニー”はすっと通るわけにはいかない。

こういう名画は日本にはなかなかやってこないから、しばらく立ち止まり、再度目に焼きつけた。“草上の昼食”は前回不思議に思ったことがある。それはこちらをじっと見ている裸婦と左の男の顔がとても似ていること。二人は兄妹かと思えるほど目、鼻、口がそっくり。だから、またまたこの二人に視線が集中した。奥の池でかがんで水浴をしている女と右の男をみている時間は今回も短い。

新たな発見は手前に描かれている横に傾いた籠とそこからとびでたパンや緑の葉の上にあるさくらんぼ。さくらんぼの質感描写に感心するが、なにも籠をひっくり返すことはないだろうとも思ってしまう。でも、これは当世風の男たちと一緒に裸婦を描くという挑戦的な絵。籠が置いてある白と青の服は女がたった今脱ぎすてたもの。だから、裸になるときの女の恥じらいとか裸婦と一緒にいる男たちの内面の緊張感を暗示するため、籠をひっくり返したのかもしれない。

モネ(1840~1926)の絵では、昨年国立新美であった大回顧展に出品された“かささぎ”や“ルーアン大聖堂”とまた会った。真ん中は回顧展に展示された“日傘の女(右向き)”とペアになっている左向きの絵。どちらもお気に入りだが、もしどちらかを差し上げると言われたら、この左向きのほうをいただきたい。それは背景の明るい空や土手の草の描写は変わらないが、左向きのほうが女性の頭を覆ったスカーフとロングスカートをなびかせている風をより強く感じられるから。

モネ同様、気分がぐっとハイになるルノワール(1841~1919)は初見の作品がいくつか現れてくれた。青山のユニマットでみたのと同じ絵で、妻のアリーヌが長男のピエールに乳を飲ませるところを描いた“母性(母子像)”があったが、質的にはこちらの方がだいぶいい。画集にはほかの美術館のものが載っていたので、オルセーでこの絵と対面するとは思ってもみなかった。リストに入れていた“アルフォンシーヌ・フルネーズ”や“読書する娘”といった愛らしい娘の肖像画にも心を奪われる。

そして、下の“ムーラン・ド・ラ・ギャレット”との再会で気分は最高潮に達した!画面中央に描かれた二人の女性の楽しそうな顔に釘付けになる。木もれ日が土や人の上に落ちるまだらの影で表現され、大勢の男女が踊ったりおしゃべりをして愉快にすごすモンマルトルのダンスホールの情景が明るい色彩で優雅に生き生きと描かれている。まさに生きる喜びを表現した傑作である。

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