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2008.02.01

ナショナル・ギャラリー その一 ボッティチェリ  ラファエロ  フランチェスカ

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17年ぶりにロンドンとパリを訪問し、美術館巡りをしてきた。といっても個人旅行ではなく、名所観光と世界遺産、モンサンミッシェルが売りの普通のツアー旅行。このツアーは自由行動が多いので、この時間を全部美術館巡りにあてたというわけ。

名所観光も一部をパスして、絵画鑑賞をしたから、こうした一般的なツアーでも結構な数の美術館を訪問することができた。で、これからしばらくの間、西洋絵画の感想記が続く。訪問したのは次の8館。
(ロンドン)
★ナショナル・ギャラリー
★テート・モダン
★テート・ブリテン 
(パリ)
★ダリ美術館 
★ルーヴル美術館
★オルセー美術館
★クランパレ(クールベ展)
★ポンピドゥーセンター

まずはナショナル・ギャラリーにある名画から。ここへ来るのは3度目。ダヴィンチの“岩窟の聖母”やルーベンス、ホルバイン、スーラの傑作などよく覚えている作品もあるが、前回の鑑賞がなにぶん17年前だから、そのとき購入した館の図録には現在はすごく興味があっても、当時はまったく知らなかったか関心の薄い画家の作品がいくつも載っている。

そこで、昨年のプラド美術館のときと同様、見落とした作品とほかの美術本にでている作品をコピーした名画必見リストを作成し、これをひとつ々消化する作戦で館内を回った。作品が展示されている部屋が昔とは変わっているので、はじめて回っているようなもの。だから、全部見終わるのに3時間もかかった。予定を1時間オーバーしている。感動した名作を全部とはいかないが、ルネサンス期から印象派まで7回にわたって紹介したい。

ルネサンス絵画の鑑賞をライフワークにしているから、ここの名画の数々には興奮しっぱなし。上は大好きなボッティチェリ(1445~1510)の“ヴィーナスとマルス”。これはフィレンツェの大邸宅での婚礼に際して制作された室内装飾の一部で、ベンチか長持の背板とみられている。

はじめてこの絵を見たとき、眠っている軍神マルスの耳元でホラ貝を吹くサチュロスの子供のユーモラスな姿と恋人のマルスをみつめるヴィーナスの今風の美しい顔に釘付けになった。ボッティチェリの画風の特徴である優雅な線が心をとらえてはなさない。ほかにも晩年の傑作“神秘のキリスト降誕”やトンド(円形画)形式に描かれた“東方三博士の礼拝”、そして印象深い肖像画“青年の肖像”がある。

ラファエロ(1483~1520)は02年、アメリカへの流出騒動があった“聖母子”(24歳のときの作)がお目当てだったが、残念ながらどこかの美術館へ貸し出し中だった。こういうときは全身の力がぬける。また、リストに入れていた“スキピオの夢”もなかった。だが、真ん中の“アレクサンドリアの聖女カテリーナ”や“法王ユリウス二世”など6点もみれたから大満足。お気に入りのボッテイチェリとラファエロがこれほどみられるのはほかにはルーヴルとウフィツィしかない。すばらしいコレクションである。

ここには今回の美術館めぐりで重点鑑賞画家にしているピエロ・デラ・フランチェスカ
(1415~1492)の代表作が2点ある。下の“キリスト降誕”と“キリストの洗礼”。前回はまだ、フランチェスカの絵にめざめてなかったが、3年前あたりからその画風に魅せられるようになった(拙ブログ05/8/1)。だから、二つの絵を熱心にみた。

“キリスト降誕”は正方形の板に油彩で描かれている。地面には生まれたばかりのキリストが寝かせられ、横では少女のような聖母マリアがひざまずいている。この場面はほかの画家の作品でみることはよくあるが、この絵のようにキリストの後ろで天使がリュートを演奏したり、ミサの一部を歌っているのが描かれたものははじめてみた。

天使たちは村の娘そのもので、宗教画なのに当時のトスカーナ地方を描いた風俗画のような感じがして、絵の中にすっと入っていける。不思議なのが後ろの納屋の屋根に静かに止まっている本来はやかましいはずのカササギ。これはキリストの誕生で新しい世界がやってくることを暗示している。

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コメント

待ってました!
花咲くルネッサンス!
イタリアルネサンス!!
イギリスにもこんなに沢山のルネッサンスがあるんですか。
あのきれいなほうの‘岩窟の聖母’を持ってるんですから怖い物知らずですね。思い出しました。私はかってピエロのこの絵を模写した事があります。(ただし未完!それも部分だけ!)
ジョットも好きですが、ピエロも好きな画家のひとりです。


投稿: 花 | 2008.02.04 18:06

いづつやさんお帰りなさい。
普通のツアーですか、けど自由行動が多いのは添乗員泣かせではありますがいいですよね。
17年前ですかー僕は美術に全く関心がない倫理学の学生でした/苦笑。
日本人は年に平均1.7回しか美術館に行かないと新聞にありましたがいづつやさんみたいな方を見習ってほしいものですね。

投稿: oki | 2008.02.04 21:57

to 花さん
ナショナルギャラリーのイタリアルネサンス
コレクションは名作ぞろいです。ダヴィンチ、
ラファエロ、ボッテイチェリ、マンテーニャ、
ティツィアーノ、フランチェスカ、ペルジー
ノ、ウッチェロらの代表作がずらっとある
のですから、圧巻です。

フランチャスカの2点もしっかりみてきました。

投稿: いづつや | 2008.02.05 08:30

to okiさん
自由行動の時間を全部絵画鑑賞にあて、8つの
美術館をみてきました。シミュレーション以上の
できで喜んでます。

図録を沢山買い込みましたから、持ち運びが大変
でした。感動の名画をできるだけ多く紹介しようと
思ってます。

投稿: いづつや | 2008.02.05 08:50

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