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2008.02.20

その四 シャヴァンヌ  モロー  トーロップ

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名画を沢山所蔵している美術館へは何度も訪れてみるものである。前回のオルセーでモローの絵は興奮してみたのに、シャヴァンヌにはまったく関心がなかった。図録をながめても、“シャバンヌの作品はどこに飾ってあった?”という有り様。その後、代表作“貧しき漁師”にじわじわ魅せられるようになったから、今回シャバンヌ(1824~
1898)は重点鑑賞画家にしていた。で、入館してすぐこの画家の展示室へ行った。

リストに載せている“夏”や“海辺の娘たち”、上の“夢”のほかに“風船”、“伝書鳩”など全部で11点あった。絵のなかに吸い込まれそうになるのが“夢”。実に象徴派らしい絵。眠っている旅人がいる岸辺や遠景は見慣れた自然の風景なのに、空中に舞う3人の乙女はとても幻想的で、まるで一人の役者の動きをストップモーションで連続してみせる映画のワンシーンみたい。

一番前の真横になっている乙女の手から落ちているのは薔薇の花、真ん中の右手には月桂冠、そして後ろの乙女は金貨を下に投げている。それぞれ“愛”、“栄光”、“富”を象徴している。3人の女神は男にどれを選ぶのかを迫っているというわけである。眠っている男の前に女神が現れるというアイデアがおもしろい。ロンドンのナショナルギャラリーでも“洗礼者聖ヨハネの斬首”という絵に思わず見蕩れてしまった。だんだんシャバンヌの絵のすごさがわかってきた。

同じ部屋にモロー(1826~1898)の“オルフェウス”(真ん中の画像)、“イアソンとメディア”、“ヘシオドスとミューズ”があった。前回はオルセーのあとモロー美術館へも回ったから頭のなかはモローの絵でかなり占領されていた。ギリシャ神話を細密な描写と豊かな想像力で絵画化したモローはお気に入りの画家。

とりわけ好きなのは竪琴の上にオルフェウスの首がのっかった“オルフェウス”とメトロポリタンにある“オイディプスとスフィンクス”。で、久しぶりの“オルフェウス”をじっくりみると、意外なものが描かれていた。それはオルフェウスの首を見つめているバッカスの信者の足元にいる二匹の亀。亀が何かを象徴しているのだろうか?

下はヤン・トーロップ(1858~1928)が描いた“欲望と充足”。前ここへ来たときはこの画家のことはまったく知らなかったから、鑑賞の対象外。作品をはじめてみたのは96年、Bunkamuraで開催された“象徴派展”。

痩せた女のうねるように長くのびた髪と独特な線描で表現された図案的な人物像に興味を覚えて以来、オルセーにあるこの絵をいつかみたいと思っていた。これは全体のフォルムがすぐつかめない。横向きの女の顔の下でウエーブしているのは長い髪の一部。一見簡潔で平板な描き方だが、構成はちょっと謎めいている。

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