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2008.02.19

その三 ゴッホ  ゴーギャン

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印象派の画家で展覧会の図録や画集が沢山あるのがモネとゴッホとルノワール。なぜかマネやゴーギャン、ドガの回顧展に出くわしたことがないから、手元には一冊も図録がない。これに対しゴッホやモネは人気が高いから、回顧展が何度も開催される。好きな画家の展覧会を見逃すわけにはいかず、その都度でかけ図録を購入する。

で、今回はこれらの本を事前にフルチェックして、まだみていないオルセー所蔵のゴッホ(1853~1890)作品リストを作成した。野球の打順でいうと、3,4,5番クラスの名画は目に焼きついているから、これらは1,2番の絵。ゴッホの絵に関しては6番以降はなく、すべて上位打線。リストに挙げていた“庭にいるガシェ嬢”、“サンレミの病院”、“双子の赤ちゃん”、“酒場”は予定通り目の前に現れてくれた。

成果はこれだけではなかった。まったく想定外の驚愕の一枚と遭遇したのである。上の“星月夜”。青の濃淡を使って描かれた夜の空には満天の星が黄色く輝き、その光が川面に足長くキラキラ反射している。夜なのにとても明るく、手前に描かれた男女二人はファンタジックな気分に酔いしれている感じ。あまりの美しさに言葉を失った。これはゴッホがアルルにいた頃の作品で、1995年オルセーに寄贈された。

だから、17年には対面しようのない絵。でも、この絵は以前見たような気がした。そのときは作品を見るのに忙しかったから思い出す暇がなかったが、日本に帰り調べたらある画集に載っており、以前から見たかった絵だった。記憶が飛んでいたのは個人蔵のためリストに入れてなかったから。その絵とここで会ったのである。これは大収穫。最後に購入した新しい図録には大きく掲載されていた。“夜のカフェテラス”(拙ブログ05/3/26)とともに夜の絵の傑作として長く記憶されることになりそう。

真ん中はゴッホが亡くなる年に描かれた“ポール・ガシェ医師”。惹きつけられるのは医師のポーズ。ガシェ医師は赤い机に右ひじをつき手を顔にあて右斜め前方を眺めるという対角線的な動きで描かれている。医師の内面が現れたような顔の表情とか上着と背景に使われた青と机の赤との色彩対比は表現主義の描き方と似ており、この頃ゴッホは新たな画風を模索していたのかもしれない。

ゴーギャン(1848~1903)はロンドンのテート・モダンで見たかった“ファア・イヘイヘ”が残念なことに展示してなかったので、口直しのつもりで下の“タヒチの女たち”を再度熱心にみた。右の女のあの目線は強いインパクトをもっている。この絵と会って以来、ゴーギャンというとすぐこのタヒチの女をイメージするようになった。ゴーギャンの絵の特徴である単純化された形の平面描写と強烈な色彩に200%魅了されている。

お気に入りは“タヒチの女たち”、大原美にある“かぐわしき大地”(拙ブログ06/9/16)、エルミタージュの“果物を持つ女”(06/11/3)、メトロポリタンの“マリアを拝す”、そしてボストン美が所蔵する“われわれはどこから来たのか、われわれは何者なのか、われわれはどこへ行くのか”。“タヒチの女たち”の隣には“食事”などタヒチの人々を描いた作品が前回と同じく飾られていた。ゴーギャンの世界を存分に楽しませてもらった。

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