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2008.02.25

ルーヴル美術館 その一 ダ・ヴィンチ  ラファエロ

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最後のルーヴル美術館です。もうすこしお付き合いください。17年前、ルーヴルへ来たときは超近代的なガラスのピラミッドから入場したが、コの字型の建物の左手、リシュリュー翼は改築中だった。朝9時の開館時間にあわせ列に並び、荷物チェックを受けてエレベーターで下に降りていった。

今は冬なので、土曜日といっても開館を待っている観光客はそれほど多くなくスムーズに入れたが、春や夏、秋だと入館者も多く、あの荷物チェックがあるから入り口は相当混雑することは容易に想像できる。だから、美術鑑賞だけが目的ならパリは冬場に訪れるのが一番いいかもしれない。夏だと8時くらいに並んでないとしっかり見れないような気がする。

ここには3時間いる予定だったが、見終わったのは午後の1時。4時間館内を歩き回った。回る順序は前回目に気合がはいってなかったラ・トゥール、ヴァトー、プッサン、コローなどのフランス絵画をまずみて、最後にルネサンス絵画やドラクロア、ダビッドらの大作が飾ってあるドノン翼ヘ行った。今回は絵画だけに絞ったので、古代エジプト、ギリシャ・ローマ、彫刻部門などはすべてパス。これから取り上げる感動の名画は見た順番ではなく時代順。まず、ルネサンスから。

手に握りしめている必見リストには見逃したルネサンスの巨匠たちの作品が沢山載っている。が、ダ・ヴィンチ(1452~1519)とラファエロ(1483~1520)の作品はほんの少し。有名な絵は過去2回の鑑賞で目に焼きついているから、あまり時間をかけず肩の力を抜いてみようという作戦。

上の“モナ・リザ”は今はガラスの中に入っており、再接近して見ることができない。しかも大勢の人がいるから、一番前に行くこともままならない。で、かなり離れて見るはめになった。空気遠近法で描かれた神秘的な背景をじっくりみる予定だったのに、この位置からでは単眼鏡を使わないと細部がみえない。ここで実際単眼鏡を使うことになるとは思ってもいなかった。

今年の1月16日の新聞に、この絵のモデルがこれまでの有力な説通り、フィレンツェの商人の妻、リザ・デル・ジョコンドだったことを裏付ける証拠が見つかったと大きく報じられた。これを記述した書物がドイツのハイデルベルク大学図書館にあるという。この肖像画のモデルがジョコンド夫人であることはこれで決着がついたが、なぜ、ダ・ヴィンチはこれを死ぬまで持ち続けていたのだろうか?

これは注文されて描いた絵ではなく、自分の理想とする女性像を描くため、リザにモデルになってもらっただけなのかもしれない。ダ・ヴィンチは完璧主義者だから、何度も々絵の具を塗り重ねて微妙な色や明暗を追求したが、これでOKというレベルに至らず、ずっと持っていたのだろう。

“岩窟の聖母”(真ん中の右)と“聖アンナと聖母子”(左)はグランドギャラリーの一角にある。こんな傑作が特別扱いされることなく展示してあるところがすごい。ダ・ヴィンチの作品の中で最も惹かれているのが“岩窟の聖母”に描かれた大天使ウリエル。精緻に描かれた金髪のカール毛一本々とこちらを見つめる視線が胸をツンと突く。

そして、背景の先が丸くとんがった奇岩のむこうから差し込む光がとても印象的。ロンドンのナショナル・ギャラリーで同じ題名の絵をみたが、ここでは大天使ウリエルは洗礼者ヨハネのほうを指差してなく、聖母マリア、イエス、ヨハネの頭上には光輪が描かれ、ヨハネは十字杖を持っている。

“聖アンナと聖母子”で釘付けになるのが背景のうす青で描かれた幾重にも連なる山々。空気遠近法の特徴が一番でているのがこの絵の背景。この青にひきずられて視線は優しく微笑む聖アンナに集中する。聖アンナの絵は沢山あるが、これほど慈愛にあふれる表情を見せる聖アンナはほかにない。

下は大好きなラファエロの“美しき庭師”。もうメロメロ!イエスの手をささえる聖母マリアの安らかな顔をうっとりしてみていた。ナショナル・ギャラリーには“騎士の夢”がなかったが、ここではリストに載せていた“聖ミカエルと竜”や“竜と戦う聖ゲオルギウス”などを大体みることができた。ラファエロ作品の追っかけも終わりに近づいている。

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コメント

こんばんは。
先週末、このモナ・リザを思い出させるようなことがあったばかりなので、ドキッとしました。一度は私も、この目で見てみたいです。

小説や映画にもなったダ・ヴィンチ・コードを思うとつい、余計なことを想像してしまいますが、なぜか作品からはその説得力を感じてしまいます

投稿: kai | 2008.02.26 22:03

to kaiさん
ダ・ヴィンチの画集に載っている絵は全部
見ました。ダ・ヴィンチの追っかけをやった
という意識はないのですが、あちこちの美術
館を訪問しましたので、気がついてみたら
全部目の中におさまったという感じです。

ルーヴルのモナ・リザと久しぶりに対面した
のですが、今は昔のように近くで見れなくな
ってました。ちょっと残念です。モナ・リザ
は永遠の絵画ですから、これからも長くつき
あっていきたいです。

投稿: いづつや | 2008.02.27 00:07

やって来ました♪。
イタリアは‘ルネッサンスのフイレンツエ’に~!
そんな妖しい錯覚です!

美しいお写真をありがとうございます。

人類の叡智の極!
人類の宝物!!


投稿: 花 | 2008.02.27 01:16

to 花さん
ルーヴルのすばらしいルネサンスコレクション
に酔いしれてました。紹介したい名画が沢山
ありますが、ほかとのバランスで全部は載せら
れません。感動を皆さんと共有できる作品で
あることを願いながら選んでます。

投稿: いづつや | 2008.02.27 13:06

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