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2008.02.18

Bunkamuraのルノワール+ルノワール展

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Bunkamuraで行われている“ルノワール+ルノワール展”(2/2~5/6)はサントリーのロートレック展同様、オルセー鑑賞パート2の感覚で見た。だから、ルノワールの次男、ジャンが撮った映画は半分パスし、オルセーで対面できなかったお目当ての名画、“陽光のなかの裸婦”、“ぶらんこ”(上の画像)、“田舎のダンス”(真ん中の左)の前に長くいた。

今回、ルノワールの作品は全部で48点ある。このうちオルセーからやってきたのは15点。よくこれだけ貸し出してくれたものである!昨年の国立新美のオルセー美展にも“ジュリー・マネ(猫を抱く少女)”が出品された。東京で毎年ルノワールの傑作が見られるのだから、日本は本当に美術大国。

“ぶらんこ”は“ムーラン・ド・ラ・ギャレット”と色の使い方やタッチが似ている縦長の絵。とても印象深いのがぶらんこに乗っている女性、後ろ姿の男、横を向いている女の子の服に光が当たったところが濃い白の絵の具で塗られていること。この白の輝きで表現された陽光のふりそそぎ具合が目に心地よいのである。光の点は小道の青い影の上にも散らばっている。日差しが強いところで誰もが目にする光景はまさにこんな感じ。

ルノワールが描く女性で、笑顔が魅力的なのはこの“ぶらんこ”、“ムーラン・ド・ラ・ギャレット”、そして“田舎のダンス”。“田舎のダンス”にぞっこん参っている。こぼれるような笑顔をみると、この女性が踊りを心底から楽しんでいることがわかる。これに対してオルセーでは相方がいなくて淋しそうに飾られていた“都会のダンス”(真ん中の右)は優雅なドレスを着た洗練されたパリジェンヌの踊り。顔や背中の白い肌と光沢のある白いドレスが神々しいほど魅惑的。

ちなみに“田舎のダンス”のモデルは妻のアリーヌで、“都会のダンス”のほうはヴァラドン(ユトリロの母親)。ボストン美術館にはダンス連作の最初に描かれた“ブージヴァルのダンス”がある。これも大好きな絵だが、モデルはヴァラドン。

とくに注目してみた3点のほかで足がとまった女性画は下の“コロナ・ロマノ、バラの若い女”(オルセー)。ふくよかで生気あふれる顔と白の襟と鮮やかな青のブラウスと帽子に目を奪われた。図版でみたことはあるがこれほどすばらしいとは!しばらく見蕩れていた。男性の肖像画にもいいのがあった。大作“狩姿のジャン”(ロサンゼルス・カウンティ美)と画集に載っている“ポール・デュラン=リュエルの肖像”と遭遇したのは大きな収穫。

映画はあまりみなかったが、会場内のミニスクリーンには絵と関連する映画のシーンが映し出され、せりふや音楽が聞こえてくる。こういう雰囲気のなかで絵をみた経験はないが、悪くない。ルノワールの超一級の作品が見れて、昔の華やかなパリを思い出させる映画も楽しめるのだから、ここは今質の高いエンターテイメント空間になっている。

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コメント

僕も観てきました、企画力の勝負ですね。
昨日写真美術館の帰りにどのくらい混雑しているかちょっとみてみましたが別に行列していませんし、今のところ混雑は平気ですね。
僕のルノワールのこの展覧会でのベストは「麦わら帽子の少女」赤が素敵!
これもオルセーですね、上野にはルーヴル来てますし日本は本当にお金をかけて世界の名画を鑑賞するのがすきなんだなー。

投稿: oki | 2008.02.19 00:00

to okiさん
オルセーから沢山ルノワールがきてますね。
“田舎のダンスは”Myルノワールの上位にお
いてまして、大好きなんです。

ここ4年くらい毎年ルノワールの画集に載っ
ている名画が見れますから、ご機嫌です。
フィリップスコレクションの惚れ惚れする
“舟遊びの昼食”、クリーブランド美の
“ロメール・ラコーの肖像”、フィラデル
フィア美の“ルグラン嬢の肖像”、そして
今回のオルセーからやってきた“田舎のダン
ス”、“ぶらんこ”など15点。

印象派絵画の鑑賞は一生の楽しみにしてます
から、現地の美術館だけでなく、日本でも
名画が鑑賞できるのは無上の喜びです。

投稿: いづつや | 2008.02.19 17:32

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