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2008.01.05

松屋銀座の小堀遠州展

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12/30、松屋銀座で“小堀遠州展”(12/30~1/14)を見た。やきもの好きにはこたえられない良質の展覧会である。ここへは日頃殆ど来ないが、05年末に吉田屋古九谷展でも感動させてくれたから、やきもの展を得意としているのだろう。

作品は遠州ゆかりの茶道具、工芸品、書状など約150点。一番関心の高いやきものは根津、三井、湯木、北村など茶陶では定評のある美術館から自慢の名品が出ている。予想を上回る質の高さに館を出るまで興奮しっぱなしだった。

まず、目を奪われたのが上の“祥端 蜜柑 水指”(根津美蔵)。昨年、畠山記念館で楽しんだ祥端(しょんずい、拙ブログ07/8/19)と違って、なんとも大きな水指。これまで、こんな大きな祥端はみたことがない。大きさとともに見入ってしまうのが胴のところにある2箇所のへこみ。遠州の美意識はこんな水指を中国で焼かせていた。

遠州好みの“綺麗さび”を反映した茶陶のひとつが真ん中の“高取 面 茶碗”(三井記念美)。これは寛永年間、遠州の指導により焼かれた遠州高取の代表作で、腰に幅広く面をとった端正な形が特徴。

茶碗の形はその時代の精神や好みを表している。利休好みの“侘び”を表現した“黒楽茶碗”(06/10/31)のあとに現れたのが織部好みの“へうげ”の茶碗。楽茶碗の正円をぐにゃとゆがませた楕円の“沓形茶碗”(07/2/26)である。

これが前衛すぎたので、その反動として今度は遠州好みの美しく均整のとれた“綺麗さび”が茶人たちの間でもてはやされる。そして、宗和好みの“姫さび”を形にした仁清の“色絵鱗波文茶碗”(05/10/10)へと展開していく。

下は対面を待ち望んでいた“御本立鶴茶碗 銘・池水”(北村美)。これは日本から朝鮮の窯に注文した茶碗。デフォルメされた立鶴がワンポイントアクセントのような感じになっている。大変魅せられた。

遠州は自分の感性で窯元に好みの茶道具をつくらせる一方、埋もれていた名品に光をあてるスーパー目利きでもあった。そうして世に出たものを“中興名物”と呼んでいる。お気に入りは黒褐釉となだれが印象的な“膳所 耳付茶入 銘・大江”(根津美)と椀形の胴に惹きつけられる“高麗茶碗 銘・古手屋”(三井記念美)。

会場内に遠州が手がけた南禅寺、大徳寺の庭園の写真が飾ってあった。金地院の庭はまだ見てないので、いつか訪ねてみたい。なお、この展覧会はこの後次の会場を巡回する。
2/23~3/16:名古屋・松坂屋美術館
3/19~3/31:神戸・大丸ミュージアムKOBE

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コメント

いづつやさん。こんばんは。
昨日やっと出かけてきましたが、
とても混んでいて、驚きました。

でも、とても品の良い上質なコレクションでした。
根津が来年リニューオープンする時が楽しみです。
高取の展覧会が充実していたのを思い出しました。

南禅寺、大徳寺、行って確かめたいですね。
今年も色々な芸術鑑賞記事を楽しみにさせていただきます。

投稿: あべまつ | 2008.01.14 22:54

to あべまつさん
新日曜美術館で取り上げられたことも観客動員
にプラスになっているでしょうね。

昨年の初日は、着物姿の女性が沢山来ておられ
ました。お茶をやっている方にはこういう展覧会
はたまらないでしょうね。いつか京都でじっくり
庭めぐりをしようと思ってます。

投稿: いづつや | 2008.01.14 23:28

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