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2008.01.09

北斎漫画は楽し!

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現在、江戸東博で行われている常設展示企画“北斎漫画展”(1/2~2/11)を楽しんだ。ぐるっとパス券(2000円)は2ヶ月間に気に入った展覧会があるかどうかさほどチェックせず、アバウトに購入する。で、さっそくこれをみるために一枚消化。あと2,3回は多分あるはず。

5階の展示室へ来るのは2度目。あまり広くないが、浮世絵自体が小さいものだから、この広さでもあの北斎漫画が目いっぱいみれる。これまで鑑賞した3回の大きな北斎展には北斎漫画が必ず展示してあったから、画集に掲載されているような絵は目の中に入っている。でも、全編を通してこれほど多くの絵をみるのははじめて。こんな機会はめったにないので、目に力を入れてじっくりみた。

これは北斎の弟子が絵を学ぶ際の手本であり、職人が絵柄をきめるときに参考にした図案集。“漫画”の意味はわれわれがすぐイメージする漫画ではなく、人物、花鳥、動物、風景、風俗、神仏などを気のむくまま描いたスケッチ集のこと。

植物より実際目にする動物や想像上の動物を描いたもののほうがおもしろい。上は今年の干支、子年にちなんだ鼠の絵。題名は“鼠の隠れ里”。小山のように積み上げられた米俵に座って熱心に算盤をはじいている。勘定は合っている?鳥を捕まえた網を縛り、引っ張るのに使っているのは縄ではなく、横にいる仲間の鼠の尻尾。さりげなくこういう笑いをいれるところが憎い。

ぎょっとしたのが画面いっぱいに描かれた大きな象。“群盲象を撫でる”のとおり、11人の男が象の背中に乗っかったり、鼻や牙、尻尾に触ったりして、象の大きさを思い々に推し量っている。また、“鰻登り”がユーモラス。三匹の巨大鰻が体を左右にくねらして垂直に立ち、その一匹にねじり鉢巻をした男が抱く様がおもしろい。

下はフォルムの美しさに立ち尽くした“魚濫観世音”。昨日取り上げた速水御舟の鯉の絵にみられる動感の度合いをさらにパワーアップした感じである。自然のダイナミズムがひしひしと伝わってくる“風”(拙ブログ07/12/15)や“阿波の鳴門”にも目が釘付けになった。

帰りがけにミュージアムショップで“北斎漫画”と“続北斎漫画”(芸艸堂)を買った。これからこの本をながめている時間が長くなりそう。

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コメント

いつも興味深く見させていただいてます。

ところで、この北斎の魚濫観音の版画に似た構図で肉筆画があるのです。
「伝卍老人筆」ですが仏画なのでか落款はありません。ただ、北斎でしか描けない?のではないかと思われる細密画で気に入っていますので、よろしかったら見てください。Yahooブリーフケースに入れてある画像のアドレスです。
http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/bc/4710280b_d972/bc/4a64/%b5%fb%cd%f4%b4%d1%b2%bb%a1%a7%c5%c1%cb%cc%ba%d8%a1%ca%d2%c4%a1%cb %cc%b5%cd%ee%b4%be---1.jpg?BCHWEiHB6tSPpkO8

投稿: ル | 2008.01.12 14:15

to ルさん
はじめまして。書き込み有難うございます。
肉筆画“伝卍老人筆”というのがあるのですか!
早速みさせてもらいます。教えていただき
誠に有難うございます。これからもよろしく
お願いします。

投稿: いづつや | 2008.01.12 23:33

あっ 上のアドレスでうまく見られないかもしれませんので、 その節はメールを頂ければ「Yahooブリーフケース」から期限限定のキーをお送り出来ます。。。

投稿: ル | 2008.01.12 23:53

to ルさん
ご配慮有難うございます。

投稿: いづつや | 2008.01.13 00:09

画像うまく見られないようで申し訳ありません。
仕方なくURLに暫時画像公開することにします。初めてなので部分写真を一枚出すだけで、数日後には削除するつもりですが、参考になるのであれば、
http://home.catv.ne.jp/dd/possible/

投稿: | 2008.01.15 00:16

to ルさん
北斎のこんなすばらしい絵をみせてくださって、
心より感謝申し上げます。これは一生の思い出
になります。

美術館の展覧会だけで浮世絵を楽しんでいる私
とはちがって、ルさんは浮世絵の専門家、美術商
のような浮世絵をもっと深いところからみておられ
る通の方とお見受けしますので、これからもご指南
のほどお願いいたします。本当に有難うござい
ました。

投稿: いづつや | 2008.01.15 15:05

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