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2008.01.16

松岡美術館の中国陶磁名品展

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現在、松岡美術館で行われている“中国陶磁名品展”(1/5~4/20)は力が入っている。ここでは中国、朝鮮、日本のやきものはメイン展示、例えば、近代日本画との併設展示というようなサブの扱いになることが多いが、今回は中国陶磁が主役。それはたぶん上の“青花龍唐草文天球瓶”(景徳鎮窯、明時代・永楽期、15世紀)を展示しているからだろう。

ここへは3年通っているから、出品作の大半はみているのに、この天球瓶は長らく待たされ、ようやくの対面。どこの美術館でも自慢の名品というのはそう頻繁には展示しない。東博や東近美などの大きな美術館より、民間のブランド美術館のほうがこの傾向が強い。やきものは日本画と違ってコンデションのことは気にしなくていいのだから、東博の“松林図”のように一年に一回程度の頻度で展示してもよさそうなのだが。このあたりの館のポリシーがどうも理解できない。

ここの青花天球瓶は畠山記念館のもの(拙ブログ07/8/19)と同様、形、龍の姿、青の発色具合いずれも申し分ない。日本にある天球瓶では畠山とここのが一番いい。長く待たせるだけのことはある。これをみたからすぐ、引き上げようと思ったが、定評のある中国陶磁コレクションだから、帰り急ぐことをやめてしばらくいた。

これまでにみたことのある三彩、黒釉、白磁、青花、色絵とはいえ、質の高いやきものなので、一品々味わい深く、つい見とれてしまう。目を楽しませてくれるのが色鮮やかな“五彩”や“粉彩”。下は言葉を失うくらい美しい“粉彩八桃文盤”。

五彩が硬彩と呼ばれるのに対し、柔らかい色彩が特徴の粉彩は清時代の雍正年間
(1723~35)に技術、様式が完成する。桃果と白花をモティーフとするこの皿は雍正期にやかれたもの。形のいい桃が微妙なグラデーションをみせる淡緑、淡黄、紅色で見事に描かれている。また、翼を大きく広げた二羽の紅色の鳳凰が向き合う“青花胭脂紅双鳳文扁壺”にも魅せられた。

今年はこの名品展と五島美術館の“中国の陶芸展”(2/16~3/30)を連チャンし、さらに静嘉堂文庫の曜変天目茶碗(国宝)が出品される“茶碗の美展”(2/9~3/23)にも足を運ぶと、中国のやきものがかなり楽しめるのではないかと思う。一ラウンドは期待通りの満足が得られた。

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