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2008.01.04

日光 竹久夢二美術館コレクション

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池袋三越で開催中の“竹久夢二展”(12/30~1/7)を初日に見てきた。これはいつも展覧会情報でお世話になっているokiさんに教えてもらったもの。夢二の展覧会はこれまで何回も見て代表作の大半は目におさめているのに、出かけるとまたsomething newと遭遇するのではないかと思い、つい足が向く。ファン気質というのはもう一種の中毒。どこまで行っても終わりがない。

今回、目の前にある約100点は日光 竹久夢二美術館(鬼怒川温泉)のコレクション。旅館“花の宿松や”の女将が若い頃、夢二の絵に魅せられ、50年にわたって集めたものだそうだ。美術館の名前は知っていたが、鬼怒川温泉へ行くことはないから、縁なしで終わるだろうと思っていたら、意外なところで鑑賞することになった。

一通り見て、そろそろ引き上げようかなという気分でいたら、女将のギャラリートークがはじまるというので、普段はこの種のイベントはパスなのだが、時間もたっぷりあることだし、貴重なお話しを聞かせてもらうことにした。

絵画が好きな方なら誰しも一生の思い出になるような衝撃的な出会いがあるはず。女将の場合、その絵が夢二が子供の手をひいた後ろ姿の女性を描いた“長崎十二景・燈籠流し”だったそうだ。絵の前で熱く語る女将はいかにも旅館の女将という感じ。この絵にのめり込まれた50年前は評判の美人女将だったにちがいない。旅館から何も貰っていません!

おもしろい話がいくつも聞けた。上の肉筆の夢二式美人画“大徳寺”と“夕ぎりや”、“野茨や”の3点は神戸で地震があったとき、ある家の蔵から出てきたものらしい。いずれもなかなか魅力的な作品。落款が緑色になっているが、夢二が何かのお礼に私的に描いたような絵には緑の落款が押されているとのこと。

今回の収穫は“中山晋平作曲全集”の楽譜の表紙(木版画)。これは昭和5年
(1930)、銀座の山野楽器店から発行された。発行者は中山晋平本人で肉筆署名がある。下はその目次。青地に映える女性の赤い衣装と帯に彩られた金色の模様に釘付けになった。夢二は真のカラリスト!

定番の“宝船”(拙ブログ07/1/15)、婦人クラブの表紙“春”(05/1/16)、“セノオ楽譜”の表紙、妻・他万喜(たまき)の店「港屋」で販売した木版画“小春”、“文楽人形”などがあるので、大正ロマンたっぷりの夢二ワールドにしっかり浸れる。また、凝った会場づくりも楽しく、夢二はこんな人と交流があったのかと驚かされる写真もある。これは見てのお楽しみ。

鬼怒川温泉に出かけなくて夢二のいい絵をみることができて、こんな嬉しいことはない。

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コメント

女将のギャラリートークがありましたか!
僕が行った時はそういう催しはなかったです。
肉筆画でいいのが多くでていましたね。
所蔵品図録があったので買い求めましたが、解説がないのが少々不満。
ギャラリートークはその不満を補うものだったでしょう。
ところで今日の記事でヒルマンが日本ハムの指揮を執ったのは四年ではなく五年ですね。
三年目に五位に沈んだので、彼もバントとか日本的野球を取り入れたら二年連続優勝!
金子誠も監督が自分たちに近づいてくれて日本的なものを取り入れてくれたのがとてもうれしかったと語っています。

投稿: oki | 2008.01.06 20:59

to okiさん
70歳をすぎた方ですが、いかにも女将と
いう感じでした。若いときはさぞかし綺麗
だったことでしょう。

女将が一番好きな絵は図録の最初に載せ
てある“柿落葉”だそうです。そして
NO4の“宵待草”は3度目のオークシ
ョンでやっと手に入れたということです。

コレクターのところへいい作品が集まるか
かどうかは、その人の熱意が強いかどうか
できまることをうかがわせる話でした。

ヒルマンは5年やってましたね。この2年で
バントを多用するなど日本での勝利の方程式
を会得したのでしょうね。大リーグでも結果
を出せるでしょうか?

投稿: いづつや | 2008.01.07 16:33

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