戸栗美術館の鍋島展


やきものを見るため定期的に通っている美術館は昨日取り上げた松岡美術館と戸栗美術館。戸栗美では今、開館20周年記念展最後の“鍋島ー至宝の磁器・創出された美ー”(1/5~3/23)が開催されている。鍋島は05年にも見た(拙ブログ05/7/3)からパスしてもいいのだが、色鍋島の魅了には抗し難く、また松涛へ出かけた。
以前購入した図録をよく眺めているので、目の前の鍋島焼91点のうち前に見たものと初見のものはすぐ区別ができる。やきものは絵画とちがって、立体的であまり大きいものではないから、いいやきものとの対面は宝石類を見るのと同じ感覚。そのやきもののなかでも鍋島焼というのは特別で、見ていると心が浮き浮きしてくる。
いつも感心するのが定番の皿に絵付けされたハットする意匠と印象に残る色彩対比。こんなモダンで洒落たデザインと色の組み合わせはどういうものに触発されて生まれてくるのであろうか。上の“色絵 更紗文 皿”の緑と黄色と青で彩られた装飾的な更紗文にはいつも目が点になる。
このように同じ模様が皿全体を埋め尽くすのは少なく、ほかに“毘沙門亀甲文”があるくらいで、中央に白地を残し、周囲に更紗文とか菊唐草文などを配するものが多い。陶工たちの豊かな色彩感覚と文様配置の巧みさに脱帽である。
幾何学模様の皿に較べて鳥や花などがモティーフとして使われる場合は、他のものは極力省き、余白をよくとり対象がすっきり目に焼きつくような構成になっている。下は白地に描かれているのは二羽の鳳凰だけ。優雅に空を舞う鳳凰の口ばしの赤や主翼の緑、そして丁寧に描かれた尾っぽのぐるぐる巻きや胴体の毛に目が釘付けになる。
花文のお気に入りは“椿文”や“紫陽花文”、“紅葉流水文”。そして、鍋島というとすぐイメージする“壽字宝尽文 八角皿”や“三瓢文 皿”、“青磁染付 七壺文 皿”の前ではもう最高の気分。初見のもので収穫が二つあった。黄色と緑の対比に目を奪われる“色絵 牡丹文 変形皿”と初公開の七寸皿が10枚揃った“色絵 桜霞文 皿”。
ここのやきものはこれで大体鑑賞したことになるので、しばらくお休み。
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