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2007.12.23

東博浮世絵エンターテイメント! 歌麿・国芳

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今年の東博浮世絵展示も今回が最後(12/18~08/1/14)。ここの浮世絵は展示が替わるたびに出かけているから、年間を通してみると結構な数を見た。展示してあるのは30数点だから鑑賞の時間は短いが、毎回収穫となるのが2、3点あるので非常にいい気持ちになる。楽しみの真ん中にあるのが喜多川歌麿の美人画。

代表作に数えられる3点がでている。上の“歌撰恋之部・深く忍恋”、“高名美人六家撰・扇屋花扇”、そしてミネアポリス美所蔵展にも出品された“台所美人”(拙ブログ10/10)。“深く忍恋”は対面をずっと待っていた作品。画集には東博蔵とギメ美蔵のものがよく載っているが、東博のはギメよりコンディションは少し悪い。でも、やっとみれたので、そこは目をつぶってじっくり見た。インパクトのある巾広の黒しゅすの襟に引き立てられる女の不安げな表情に見入ってしまう。

5枚あるといわれるこの“歌撰恋之部”シリーズは画集には4点しか載ってない。“物思恋”(10/11)、“夜毎に逢恋”は以前見たから、次のターゲットは“稀に逢恋”。これは東博にあるのだろうか?残り2枚と会うのは時間がかかりそう。

歌川豊国のいい役者絵に感激した。それは最近出版された“江戸絵画入門”(別冊太陽、平凡社、07年12月)の浮世絵のところに紹介されている“三代目沢村宗十郎の大星由良之助”。これほど画面一杯に描かれた役者絵も珍しい。胡粉が使われた寄り目や鼻、そして真一文字にむすんだ口がすごく印象的。

風景画にはいつものことだが、いいのが並んでいる。川の青と松に積もった雪が詩情をそそる渓斎英泉作、“江都隅田川雪之遠景”、広重の“名所江戸百景”から“深川木場”、“深川洲崎十万坪”、“王子装束ゑの木大晦日の狐火”、“日本橋雪晴”、“霞かせき”。

下は広重の傑作“東海道五十三次之内 蒲原 夜之雪”同様、静寂な雪景色が心にしみる歌川国芳の“高祖御一代略図・佐州塚原雪中”。これは佐渡に流された日蓮上人が傘をかぶり雪の中を行く場面。雪の描写、墨のぼかし、上人の足跡を釘付けになってみた。

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コメント

早いものでもう師走ですね。この時期に雪景色の絵を見ると季節感がマッチして一層厳粛な気持ちになります。国芳にこのような絵があるのを初めて知りました。英国から日本の季節感を失わず、また好きな絵を見れるのも貴サイトのおかげです。来年のご活躍を祈念いたしております。それでは、よいお年をお迎えください。

投稿: 青江 | 2007.12.24 03:18

to 青江さん
国芳のすばらしい雪の絵と久しぶりに対面
しました。美しい雪の情景を共感できたこと
をとても喜んでおります。

旅行も近づいてきましたから、だんだん
イギリスモードになっております。よいお年
をお迎えください。

投稿: いづつや | 2007.12.24 17:42

広重の名所江戸百景は、いいですね。本当によくぞ、描き残してくれたと思います。王子の狐火のめとろかあどを、捜して王子駅を駆け巡りました。

投稿: 花 | 2007.12.27 18:34

to 花さん
おっしゃるように広重は本当にいい名所絵を
描いてくれましたね。王子の狐火がとても印象
深いです。

広重だけでなく、北斎、英泉、国芳にも心に
響く風景画が沢山ありますから、東博での楽し
みはエンドレスです。

投稿: いづつや | 2007.12.27 23:53

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