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2007.12.17

伊藤若冲とカラヴァッジョ

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昨日NHKで放送された新日曜美術館“こんぴらさん 知られざる美~若冲、応挙から
21世紀へ~”を楽しく観た。なぜ、いまごろ“こんぴらさん”かなと思ったが、7月上野の東芸大美で開催された“金刀比羅宮 書院の美展”(拙ブログ7/12)の図録をひっぱり出してみると、当の金刀比羅宮書院の公開が10/1~12/2 & 12/29~08/1/31とあった。今は中休みなので、男性司会者と壇ふみが現地へ出向き、こんぴらさんの知られざる美を紹介しようというわけである。

東芸大美に展示してあった若冲の花丸図の本物は襖絵のところだけだった。12/29以降、ここを訪問すれば奥書院のなかへ入れ、花丸図が全部みれるのだが。今のところ予定がないので、せめて写し出される映像で部屋の雰囲気を味わうことにした。

ゲストのドイツ文学者池内紀氏、金刀比羅宮文化顧問 田窪恭治氏を加えた4人が座っているのは小さな部屋。池内さんは“念願がかなって、言葉がでない”と感激しきり。これを聞くと、いつか自分もここへ座って、同じ感激に浸るぞという思いが強くなる。

ゲーテ文学の権威で西洋美術めぐりを数多く体験されている池内さんの感想がとても新鮮だった。なるほどなと思ったのが“枯れた葉や虫に食われて穴のあいた葉(上の画像)もこの中に描き込んでいるのは、若冲が自然の生と死を表現したかったのでは”と解釈されたこと。

と同時に昨年、ミラノにあるアンブロジアーナ絵画館で見たカラヴァッジョの描いた下の“果物籠”が頭をよぎった。カラヴァッジョも穴のあいたりんごや枯れはじめた葡萄の葉を描いている。10月に亡くなられた若桑みどりさんが、この絵には退廃しやすい快楽の寓意がこめられていると分析されていたことは先にご紹介した(06/5/3)。

カラヴァッジョが“果物籠”を描いたのが1596年、一方若冲の“花丸図”は1764年の制作。二つの絵の間には168年の隔たりがあるが、二人は絵のなかで同じことを表現したかったのかもしれない。

番組の後半にでてきた画家、田窪さんのプロデュースでこの秋完成した新茶所
“神椿”は一度体験したくなる建物空間。。“常若”(常に新しく若々しいこと)の精神にそって文化ゾーンが新たにつくられた“ニューこんぴらさん”をなんだか見たくなった。金刀比羅歌舞伎とセットで四国旅行をするのも悪くないなという気になっている。

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コメント

先月金刀比羅宮に行って若冲を見て来ました。
素晴らしかったです。
椿はちょっと私としては…でした。

妻の展覧会にいらしてくださってありがとうございました。
画像はどうぞお使いください。
トリミングはトリミングしてあることをクレジットして下さればOKです。
(´・ω・`)ノENOKI

投稿: 榎俊幸 | 2007.12.18 22:16

to 榎俊幸さん
高松での個展が盛況でよかったですね。
金刀比羅宮の書院の公開とタイミングが合う
とは羨ましいかぎりです。私もいつかあの
部屋に座って若冲の花の絵が見れればいいの
ですが。

新宿の高島屋ははじめてだったので、奥様の
作品にたどり着くまでちょっと時間がかかりま
したが、いいものを見せていただきました。
やきもの同様、漆器にも大変興味があります。

奥様にお願いした件、早速ご返事いただき
有難うございます。来年は京都で個展がある
そうで、期待しております。

投稿: いづつや | 2007.12.19 01:00

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