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2007.12.21

東博のやきもの名品

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東博が所蔵するやきものはいくつかの部屋に分けて展示してある。日本の陶磁器は本館の一階、二階の“茶の美”、“暮らしの調度ー安土桃山・江戸”の三箇所に、そして中国、朝鮮のやきものは東洋館にある。

今、タイミングよく中国のやきものの名品が沢山でている。その極め付けが本館の“茶の美”コーナーに飾ってある上の国宝“青磁下蕪瓶”(南宋13世紀、龍泉窯、アルカンシェール美術財団蔵)。これは日本に伝わる青磁花生のなかでも、名品中の名品として知られている。

この花生とは縁があり、5度目の対面。寄託品なのかどうかわからないが、2年くらい前にもここで見た記憶がある。胴の下部が丸く膨らんだ姿を茶人は“下蕪”(しもかぶら)と呼んだからこういう名前がついている。これは砧青磁の名品のように床の間に飾り、正座してその美しさを愛でるというよりは、縁側にでも無造作に置いて、ニヤニヤしながら眺めるほうがずっと楽しいだろう。展示は来年の4/6まで。

これを見て、すぐ東洋館に移動して、“中国の陶磁 宋~清時代”を鑑賞すると、青磁の素晴らしさが体中に浸み込むかもしれない。ここに展示されている44点のなかで(展示は08/1/27まで)、北宋、南宋時代に越州窯、龍泉窯などで焼かれた青磁は8点ある。お気に入りはひび割れたような感じの貫入が心を打つ“青磁輪花鉢”(重文、南宋官窯)。ここにはもう一点、同じく官窯でやかれ、貫入がみられる優品“青磁琮形瓶”(重文)があるが、今回は展示されてない。

青磁とともに魅了されるのは明や清の色絵。下はしばらく立ち止まってみた“藍釉粉彩桃樹文瓶”(景徳鎮窯、清時代)。心を奪われるのが桃の形にシンクロするかのように成形された瓶のまるいフォルムと地の藍に浮かび上がるピンク色の桃。同じタイプのものを過去2、3回みたことがあるが、今回のが一番ぐっときた。

そして、隣にある“粉彩梅樹文皿”(重文、景徳鎮窯、清時代)も心に響く。白地に余白をたっぷりとり梅が描かれている。これが毎日見られたらどんなに幸せかと思わずにはいられない名品である。中国陶磁の美を堪能した。

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