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2007.12.07

天才デザイナー 光琳&乾山

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“乾山の芸術と光琳展”の後期(11/27~12/16)を見るため、また出光美へ出かけた。やきものだけだと作品は会期中展示されることが多いから一度の鑑賞で済むのだが、光琳、乾山の絵は半分づつの展示なのでどうしても2回の訪問が必要になる。
だが、今回のお目当ては数点の絵と後期のみに出品された“銹絵葦鶴図角皿”(藤田美術館)に絞られているから、鑑賞は30分で終了した。

前期(拙ブログ11/26)に見たのはどんどん通りこして、上の光琳作、“蔦図香包”を目指した。これとは2度目の対面。香包は香木を収めるための絹地の包み。縦にのびる余白が真ん中に感じられるのはこの包みが折り畳まれた状態から開くにつれ、全体の絵柄がつかめるように意匠が工夫されているから。

これは着物で着姿に合わせて模様を配置するのと同じ意匠感覚を必要とするが、京都の呉服商・雁金屋に生まれた光琳にしてみれば、お手のもの。金地に茶色、緑、青で彩色した蔦の葉が見事に描かれている。

乾山のやきもので前回同様、足が止まるのが真ん中の“色絵桔梗図角皿”。色絵でも釉下彩だから、花の青や葉の緑はたらし込み風の柔らかいタッチが特徴。まるで水彩画をみているよう。同じ色調の“春草文”、“萩文”、“百合撫子文”も心がぐっと落ち着く作品。

こういう静謐な感じのものに対し、装飾性豊かな琳派意匠に酔いしれるのが独特のフォルムの透彫反鉢。これは乾山が考案した造形。4点ある(会期中展示)。お馴染みの“龍田川文”が2点(出光美と個人)と下の“芦雁文”(出光美)、“吉野山文”(MOA)。

“芦雁文”の華やかでシャープなデザインに釘付けになる。黒彩で図案化された霞がとてもモダンな感じで、透かしも霞形に切られている。その霞の中を金彩で上絵付けされた雁が飛んでいく。宗達や加山又造が描いた鶴が想い出され、気分がだんだん高揚してきた。金彩で目を惹くのがもうひとつある。ざらざらした感じの器面に図案化された松を金、白、青で描いた“銹絵染付金銀白彩松波文蓋物”(05/6/2)。見る度に魅了される。

琳派らしい雅趣に富んだ意匠にみるにつけ、乾山の造形感覚は兄の光琳に負けず劣らずすごいなと思う。光琳は絵のなかで、乾山はやきものという工芸でその類まれな才能を発揮した。偉大な芸術家の作品を鑑賞できる喜びを噛み締めている。

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