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2007.12.10

うらわ美術館の岸田劉生展

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現在、うらわ美術館で開かれている“画家岸田劉生の軌跡展”(11/17~1/27)へ出かけたのは図録を購入するため。先月書いた岸田劉生の“麗子微笑”(東博、11/7)にコメントをいただいた情報通のokiさんからこの展覧会を教えてもらった。

展示してある笠間日動美術館蔵品は2年前現地で見ているから(05/10/23)、新鮮味には欠ける。で、図録があれば足を運ぶことにした。岸田劉生は好きな画家だから笠間ではいい気持ちで鑑賞したのだが、どういうわけか図録がなかった。たぶん、日本民藝館と同じように図録をつくる財政的な余裕がないのだろう。

この展覧会は北海道、姫路、刈谷の美術館での展示が終了し、11/17からうらわ美、そのあと静岡アートギャラリー(08/2/2~3/23)にいく。5つの美術館全体の入場者を想定すると、図録一冊あたりのコストは安くなるから、各美術館の費用負担が少なくて済み、作品を所蔵している日動美も図録がストックできる。こういう上手い方法のお陰で日動美の岸田劉生コレクションが手元にいつもあることになった。

油彩、水彩画、版画など120点からは38歳で亡くなった岸田劉生の高い画才がひしひしと伝わってくる。多くの人を魅了してやまない肖像画では“丸山君の顔”がとびぬけていい。劉生の代名詞となった麗子像は16歳のときのがある。

再会が飛び上がるほど嬉しかったのが“静物(土瓶とシュスの布と林檎)”(05/12/21)。松涛美で見たときは言葉を失った。これは“麗子微笑”とともに日本の洋画の金字塔ともいうべき傑作。今回、うらわと静岡に特別出品される。大げさにいうと、この絵を見るためだけでも出かける価値があるかもしれない。

見所の一つになっている親交の深かった武者小路実篤の小説“幸福者”、“友情”などの装丁画は44点ある。写実的な絵だけでなく、こうした装飾画も心に響く。上は“劉生画集及芸術観”見返しを版画にしたもの。菊の花に囲まれ、一本の菊を手に持っているお河童頭の麗子が心を虜にする。

そして、ずっと見ていたくなるのが下のまるくなった猫の絵。愛嬌のいい女性が目の前にいる感じ。竹内栖鳳、菱田春草、加山又造が描く猫(06/10/20)もいいが、一緒にじゃれたくなるこういう猫も心が安まる。図録といい、作品といい収穫の多い回顧展だった。

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コメント

おっ、また岸田劉生ですね、今度は日本画風のやつ。
日本画、洋画、どちらも極める姿勢に共感しますね。
(´・ω・`)ノENOKI

投稿: 榎俊幸 | 2007.12.11 18:56

to 榎さん
2つの絵はこれまで3回くらいみているの
ですが、いつも足が長く止まります。
この猫の顔がいいですね。
劉生の高い技量にほとほと感心します。

投稿: いづつや | 2007.12.12 00:08

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