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2007.12.24

国宝 雪松図と近世絵画展

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昨日からはじまった三井記念美術館の“国宝 雪松図と近世絵画展”(12/23~08/1/31)は情報を得たときは半分パスの気分だった。雪松図は何度もみているから、たまにはお休みしたいところ。が、琳派狂いには気になる絵があった。上の酒井抱一の“観音像”である。

先の大徳川展に出品された“双鶴・七草図”が不発に終わったので、2連敗は避けたいところ。抱一は37歳のとき僧籍に入ったので、仏画も描いた。一度、細見美術館で“青面金剛図”という色鮮やかで迫力満点の絵をみたから、三井家が所蔵する観音図は期待していた。結果は?予想以上のすばらしい観音様だった。

目を奪われるのがうす青の着衣の上にはおった白い裳の切金を思わせるような精緻な文様。そして、激しく揺れ動く感じの波文は珍しいことにねずみ色で描かれている。金剛図は風神・雷神のイメージの延長でみたから、さほど驚かなかったが、これは純然たる観音図。抱一がこれほど作域の広い絵師とは思わなかった。

鈴木其一の“寿老人、恵比寿、大黒図”は琳派的な描写はまったく見られず、その高い画技により、応挙の絵を上手に写している。また、ダイナミックに描かれた渦巻きと風になびく観音の裳に惹きつけられる河鍋暁斎の“観音像”にも足がとまった。

三井家とは縁の深い円山応挙の作品は“雪松図”(拙ブログ05/10/14)や“雲龍図”(05/11/18)など全部で7点ある。時間がたっぷりあるので、雪松図をじっくり鑑賞した。右の老松では雪が積もっているところと積もってないところがみえるのに対し、左の若松の葉には雪がまんべんに降りかかっている。感心するのが雪を表す塗り残しの部分と枝の丸みをだすための墨面のつけかたとグラデーション。

蕪村と応挙に学んだ呉春が描いた3羽の小鳥が梅の木にとまっている横長の絵、“梅に小禽図風炉先屏風”にも魅了された。

絵画以外での収穫は最初の部屋に飾ってある下の野々村仁清作、“色絵桐巴紋水指”。白地に浮かび上がる緑と青で彩色された桐と巴の文様の安定感がなんとも心地いい。気楽な鑑賞だったが、抱一と仁清のいい作品と対面できたから上機嫌で館をあとにした。

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コメント

こんにちは。
安宅コレクションで満足したので、こちらはパスしようと思っていたのですが、見所ありそうですね。
新年の三が日コースに組み込もうかと思い直しました。

投稿: mizdesign | 2007.12.26 13:32

to mizdesignさん
私もパスの気持ちが半分だったのですが、
抱一の絵がどうしても気になり、でかけ
ました。抱一はこういう仏画も書いてたの
かという感じです。見てのお楽しみです。

定番の雪松図ですが、等伯の松林図同様、
絵に力がありますね。応挙はやはり大きな
絵師です。

投稿: いづつや | 2007.12.26 16:54

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