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2007.11.12

醍醐寺は宗達作品の宝庫!

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5月の京都訪問の際は、有名な五重塔を見るため醍醐寺へでかけた。ここは五重塔だけでなく、霊宝館にあるお宝がすごいから、帰るとき、これらの鑑賞で来年もう一度来る機会があるなと思っていた。ところが、アイレさんの記事で予定が早まった。

琳派狂いにはとっておきのプレゼントみたいな、俵屋宗達作、“舞楽図屏風”、“扇面散貼付屏風”、“芦鴨図衝立”(いずれも重文)が飾られているのである。永徳&宗達ーこれ以上ない組み合わせ!ここは春と秋の霊宝館の特別公開が恒例行事となっており、現在仏像、絵画、工芸など60点あまりが展示してある(10/6~12/2)。永徳展に気をとられ秋の展示をすっかり忘れていたから、宗達の作品を危うく見逃すところだった。アイレさんに感謝である。

3つのなかで見たことがあるのは“舞楽図屏風”だけで、“扇面散”は二つの琳派展(
94年名古屋市博、04年東近美)にも出品されなかったから、長いこと対面を待っていた。また、94年のとき展示替えで見れなかった“芦鴨図衝立”も待望の絵。そして、上の“舞楽図”は最近ある作品をみたことで、関心が高くなっていたところ。

先般、琳派百図展の会場で思いもかけなかった宗達の“犬図”(拙ブログ10/21)を見て、大げさにいうと“宗達がわかった!”という感じがした。この犬のさみしげな様子がゴヤが描いた“砂に埋もれる犬”(3/20)とダブってきた。“犬図”には犬の気持ちが現れている。ゴヤ同様、この犬には宗達の感情がでているのかもしれない。これは現代にも通じるすごい絵画表現で、宗達は職人的な絵師を超えた人間の感情や内面を作品で表現するアーティスト!

こんな風に宗達の絵を見ると、面白いもので、04年の琳派展のとき“舞楽図”に登場する怖い顔の面をした“還城楽”(げんじょうらく、赤い衣装を着て踊る二人の上のほう)で感じた尋常ならざる緊張感がストレートに受け止められ、また、“風神雷神図”(06/9/27)のあの“ケ、ケ、ケ”と大笑しているように見える“雷神”の姿が以前にもまして人間臭く思えるようになった。目の前にいる“還城楽”にはやはりすごい緊迫感が漂っている。このあとすぐにでも“雷神”を見たくなった。

真ん中は二曲一双の金屏風に貼られている11の扇面の一つ“田家早春図”。藁葺き屋根のもっこりした家になぜか惹きつけられる。宗達は絵屋を営んでいたから、末広がりの扇面の形にあわせて家の形をうまく調整して配置するのはお手のもの。ほかでは二匹の犬が吼えあっていたり、牛が米俵を載せた荷車を引いている扇面などが目を楽しませてくれた。

水墨画の“芦鴨図”は3羽の鴨が右斜め上に向かって飛翔する構図がなかなかいい。保存状態があまりよくないが、鴨の動感表現と描線の美しさが心につよく印象づけられる。琳派作品とともに国宝の“薬師如来像”やちょっと官能的な“如意輪観音座像”(重文)、快慶作“不動明王座像”(重文)なども見れたから大満足。

次回は“文殊渡海図”(国宝、鎌倉時代)と是非対面したい。

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コメント

いづつやさん、こんばんは
私の記事がお役に立ったようで、光栄です。
私も今回の京都行きのため、少々資料を集めたのですが、以外にも使えたのがJR東海の京都観光パンプでした。そこに醍醐寺の特別拝観のことが書かれており、今回のコースに入れた次第です。
宗達の「舞楽図屏風」とは不思議な出会い方をしていたので、こうやって実物を見れたことはとても感慨深い出来事となりました。
それにしても宗達はまだ謎に満ちた絵師ですね。

投稿: アイレ | 2007.11.15 22:42

to アイレさん
一番欲しかった情報が偶然入ってきたりする
ことが時々ありますね。今回の宗達はまさに
そうでした。いいタイミングでアイレさんの記事
をみたので、醍醐寺へ一直線でした。
有難うございました。

今、宗達の感情表現を考えてまして、いくつか
思いつきました。犬で“寂しさ”、上の還城楽
で“怒り”、雷神で“楽しさ”を表現したかっ
たのではないかと。光琳の人物画にはこんな
感情表現はみられません。みんなにっこりの
可愛い顔です。

以前から、あの笑っている雷神は何なのか?と
ひっかかっていたのですが、ゴヤの犬と宗達の
犬が響きあったのをきっかけに、宗達が描きた
かったことがわかったような気がしてます。

投稿: いづつや | 2007.11.16 22:20

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受信: 2007.11.15 01:54

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