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2007.11.28

東博浮世絵エンターテイメント! 春信・歌麿

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東博平常展の浮世絵コーナーに嬉しい絵が出ていた(展示期間は11/20~
12/16)。それは上の鈴木春信作、“紅葉舞”。この絵を知ったのはつい最近。“週間アーティストジャパン・鈴木春信”(デアゴスティーニ)の最初の頁に載っていた。所蔵しているのはボストン美とある。まだこんないい絵が残っていたとは!流石、ボストン美という感じ。

追っかけリストに即加えたが、会えるのはかなり先のことかなと思っていた。ところが、東博がこれをもっていて、平常展に出てきたのである。天にも昇る気持ちで対面した。言葉を失うほどすばらしい絵。あの小柄な春信美人が両手に傘をもち、紅葉が舞い散る中、軽快に踊っている。視線が自然に二つの傘の間にいき、女のしなやかな舞の姿と体の動きにあわせて真横に曲がる着物の袖や裾のフォムルに見入ってしまう。

隣にある同じく春信が描いた釣竿と鯛の玩具を持つ若衆を恵比寿さんに見立てた“見立恵比寿”もぐっとくる。ミネアポリス美に続き、またまた春信のいい絵と遭遇した。“春信をもっともっと楽しみなさいな”というミューズの声が聞こえてくるようだ。

今回は歌麿も豪華3点セット!まず、大作の“橋の上下”。3枚続で橋の上の光景と下の屋根船における遊興の場面を描いている。船頭の2人をのぞく女性群像図は見ごたえがある。手前のお酒を飲んだりして船遊びを楽しんでいる女たちばかりに目がいくが、太い橋柱の間からみえる遠景に目をやると、水面のさざなみや川の両サイドにある家々、米粒みたいに小さな人たちがしっかり描かれている。遠くに浮かぶ船の縮め方が実に上手いので、非常に奥行きを感じる空間になっている。

下は“高名美人六家撰 辰巳路考”。歌麿の美人画のなかではお気に入りの一枚。耳のうしろに手をやるしぐさが愛らしい。富本豊雛(拙ブログ07/8/30)に較べ、色数が多く、袖口の緑との対比が目につく黒襟が画面をひきしめている。もう一枚はこれも傑作、“姿見七人化粧・びん直し”(06/12/10)。襟足の美しさと鏡のなかに表情をもみせる構図が巧み。モデルは難波屋おきた。寛政期、美人の誉れ高かったのがおきたと高島屋おひさ。人気はおきたのほうがあったようで、歌麿もおきたの大首絵を多く描いている。

ここ数年一貫して追っかけている歌麿の名画には会えるし、リーチ一発ツモで春信の絵との対面が実現するし、こんないいことばかりあっていいのだろうか!浮き浮き気分で次の美術館へ向かった。

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コメント

こんにちは。
東博常設の浮世絵はいつもながら素晴らしい
作品が出てきますね。
特に春信の紅葉舞は、いづつや様の記事で
見た瞬間がつんとやられました。
本物を見たらさぞかし・・・。
今すぐにでも飛んで行きたい気持ちです。

投稿: meme | 2007.12.01 17:13

to memeさん
週間アーティストジャパンで春信の“紅葉舞”
をみつけたのはつい一ヶ月前のことなのですが、
幸運なことに東博がなんの予告も無しにこれを
見せてくれました。

ミネアポリス美展で春信にのめり込んでまし
たから、ミューズが会わせてくれたのですね。
嬉しくてたまりません。

投稿: いづつや | 2007.12.01 23:19

紅葉舞、本当に見事でした。
着物の袖の振れ具合が、生き生きしていて
躍動感に溢れていました。

高名美人六家撰、断片的にいくつか見ていますが、
どこかで、一度にそろえて展示してくれないかなぁ
と思います。

投稿: 一村雨 | 2007.12.08 07:35

to 一村雨さん
春信は動感描写が上手いですね!ヒラヒラ
散る紅葉の下の舞いにKOされました。

これは菱川師宣にもいえます。お気づきに
なったかもしれませんが、今回でている
“よしはらの躰”でも男の歩く感じがよく
でてますね。

歌麿の高名美人を揃いでみると楽しいで
しょうね。

投稿: いづつや | 2007.12.08 11:39

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