« 鎌倉人の地獄と極楽展 | トップページ | 岸田劉生の麗子像 »

2007.11.06

東博平常展の名品

53
54
頻繁に出かけている東博の平常展で久しぶりに1階右側の展示室をまわってみた。ここには仏像、やきもの、漆工、刀剣などが展示してある。

実は今、刀剣に夢中なのである。刀はここやほかの美術館で国宝クラスの名刀を相当数観ているのだが、まだ、のめりこむところまではいってなかった。が、平成館で現在行われている“大徳川展”(拙ブログ10/16)に出品されていた何点もの国宝の刀を見て、すっかり刀剣の美に魅せられてしまった。こうなると追っかけモードに即切り替わる。

いいタイミングで、平常展にも12/16まで名刀がでているから、喜び勇んで刀剣のコーナーをめざした。いつものスタイルで、解説を読むのは最小限にとどめ、国宝5点、“直刀 号七星剣”(飛鳥時代・7世紀)、“太刀 銘備前国包平作(名物 大包平)”(平安時代・12世紀)、“太刀 来国行”(鎌倉時代・13世紀)、“短刀 新藤五国光”(鎌倉・13~14世紀)、“太刀 長船景光(名物 小龍景光)”(鎌倉・1322)を刃文の違いなどに注目し、ひたすらみた。

“号七星剣”の名前がかっこいいので顔を近づけみると、二筋の樋に七星文、瑞雲文が金象嵌されている。飛鳥時代のほかの文物にみられる文様がこういう刀にも装飾として使われているのである。体中を新鮮な感動が走った。“名物 大包平”は現存作刀の中では一番の刀剣といわれている。でも、ほかと較べてどういいのかまだわからない。これからいくつも数をこなし、またこの刀と向かい会いたい。

刀剣の隣にあった上の“片輪車螺鈿蒔絵手箱”(国宝、平安・12世紀、12/16まで展示)はいつになく感激した。これは過去何度も見ているのに今回、この蒔絵の名品に心を奪われたのには理由がある。はじめ一箇所からだけから眺め、螺鈿の片輪車が一部しかうすピンクとかうす緑に輝かないので、“こんな螺鈿の輝きでは物足りないな!”と思いながら、展示ケースをゆっくり回ってみた。

こういう動き方をすると、なんと夜光貝で形どられた片輪車が全部輝きだした。これまではみる位置や角度が悪かったのだ。最上の楽しみ方を会得すると、水に浸かる片輪車の立体的なフォルムや川の自在に流れる水を表現した美しい流水文がより一層心に響く。

下は名刀とともに是非見たかった“粉青鉄絵魚文瓶”(朝鮮時代・15~16世紀)。なんだか、今、三井記念美で公開されている安宅コレクションの朝鮮陶磁(10/24)の続きをみているよう。瓶の形だけでなく、器体に鉄絵具を用いて描かれた魚が実にいい。背びれや鱗が大胆にざざっと線描きされた魚はどこかユーモラスで生き生きしている。

ここの“奔放なる鉄絵の世界”(12/16まで)には粉青のほかに鉄砂のいいのがでており、目を楽しませてくれる。収穫の多い平常展だった。

|

« 鎌倉人の地獄と極楽展 | トップページ | 岸田劉生の麗子像 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東博平常展の名品:

« 鎌倉人の地獄と極楽展 | トップページ | 岸田劉生の麗子像 »