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2007.11.10

大イベント 狩野永徳展!その二

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永徳作品のなかで、誰もがもっとじっくり見たかったと思うのは“洛中洛外図屏風”上杉本(国宝、米沢市上杉博物館)ではなかろうか。この屏風の前が一番混んでいる。これだけ大勢の人がいると、最前列でガラスにへばりついて見るなんてことはとてもできない。幸いこの絵は2年前、現地の博物館で1時間かけて鑑賞し、細部まで目に焼き付けているから(拙ブログ05/11/9)、後ろの列で光り輝く金雲をざあーっとみるだけで、お目当ての新発見屏風のほうへ急いだ。

昨年9月の新聞記事に載った“洛中名所遊楽図屏風”は四曲一双と上杉本より一回り小さい。上は平等院と宇治川を描いた左隻(部分)で、右隻には嵯峨、嵐山の風景・名所が描かれている。ほかの洛中洛外図と較べてコンディションが抜群にいい上杉本の前では、まばゆいほどの輝きを放つ金箔の金雲や金地が心の大部分を占領するのに対し、この屏風の金雲は金泥だから、同じ金色でも高揚感は少し緩む。

洛中洛外図を見る楽しみは画面から人々の仕事や遊興ぶり、お祭りの喧騒、寺社への参拝の様子などがリアルに生き生きと伝わってきて、こちらのイメージを刺激してくれるところ。今とは髪の形や着るものはちがっているが、人物の表情や動きなどには共感を覚えることが多く、時間が経つのも忘れて画面に没頭してしまうことがしばしば。これが技量一等の狩野永徳の絵となると、楽しさはもう特○。

細部まで見逃せないので単眼鏡は欠かせないツールであることはいうまでもないが、事前にどこに面白い場面が描かれているかがわかっていると見落としが少ない。で、普段は作品を見る前に情報を入れないのだが、今回は例外的に細部を拡大した図版をいくつも載せてくれた“芸術新潮11月号、天下の狩野永徳!”と“別冊太陽 桃山絵画の美”(平凡社、07年3月)をコピーし、それでチェックしながら、単眼鏡を覘きこんだ。

一つ々“あった、あった!”と必死に探す。真ん中は右隻の米屋の前。米俵を積んだ牛や馬がおり、手前では子供たちが竹馬で遊んでいる。また、左端には琵琶法師を追っかける犬と男の子がみえる。米沢市博の“上杉本”や東博の“舟木本”同様、本の案内を参考にして画面の隅から隅までじっくり見た。洛中洛外図はこの3つで充分。今は満ち足りた気分である。

下は“織田信長像”。信長を当然のことながらよく知っていた永徳が描いた肖像画だから、“信長はこんな顔をしていたのかな!?”という気にさせる。日本画にでてくる肖像画をこれほど深い思いをもって見たのははじめて。狩野永徳展のあと、3年後に長谷川等伯展をやるという。流石、京博である。期待して待ちたい。

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コメント

いづつやさんの感想を楽しみにしていました。私は10/19大雨の日の夜間開館に出掛けたため混雑に巻き込まれることなく4時間以上滞在し、しっかり目に焼き付けてまいりました。特に洛外遊楽図は、いづつやさんと同じように心の中ではしゃぎながら楽しんできました。10/20と10/27は土曜講座にも参加しました。昨日狩野さんのご本を求め、お話を思い返しながら楽しんでいます。
常設展のほうも見ごたえがありましたね。
永徳展のあとの常設展は蕭白特集です。初出の作品はないのですが、また新幹線で日帰り上洛する予定です。
ところで「狩野光信の時代」お読みになりましたか?面白いです。

投稿: おばば | 2007.11.12 15:48

to おばばさん
早いお出かけでしたね。今は残りの会期が少なく
なりましたから、平日の午前中でも大勢の人が
列をなしてました。この土日は大変でしょうね。

新発見の洛外名所遊楽図は“布さらし”、“鷹狩
りの一行”、“酒宴”、“渡月橋”、“清涼寺”
などを単眼鏡を使ってじっくりみました。見てて
本当に楽しいですね。

光信が描いた観学院の“四季花木図襖”をいつか
みたいと思っているものですから、“狩野光信
の時代”は興味をそそりますね。情報有難うござ
います。本屋で探してみます。

投稿: いづつや | 2007.11.13 00:27

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