« マリーナ・カポス展 | トップページ | 東京国際女子マラソン、野口みずきが優勝! »

2007.11.17

大倉集古館の富岡鉄斎展

70現在、大倉集古館では“富岡鉄斎展”(10/6~12/16)が行われている。

普段、最後の文人画家といわれる富岡鉄斎(1836~1925)の絵を見る機会はほとんどないから、画家のイメージが涌かない人のほうが多いかもしれない。

東博では最近も展示してあった大きな絵“旧蝦夷風俗図”が2年に一度のペースででてくる。目を惹くのがアイヌの人たちは着ている黄色の衣装。この画家の素晴らしい色彩感覚はこの絵を見ると即納得できる。東近美だとお目にかかれる作品の数は東博より多く、4,5点が4ヶ月くらいのサイクルでローテーションしている。ここには猿が鯰を瓢箪のなかに入れようとしているおもしろい絵がある。

大倉集古館に今、展示されているのは奈良にある大和文華館のコレクションで、書画が50数点。11年前、名古屋に住んでいたとき、鉄斎の大きな回顧展(愛知県美)をみたから、どんな画風かは目が慣れている。文人画だからしっかり見たいのはやはり山水風景画。お気に入りは雨の情景を斜めのうすい墨線で表現している“山荘風雨図”と緩やかなカーブをえがいて上にのびる梅の木を掛け軸全体に配し、そのむこうに大きな月を描いた“寒月照梅華図”。

今回の収穫は割りと多くあった魚などの絵。福神が鯛を釣り上げているのやら、朱が鮮やかな伊勢海老を描いたものやら、右の“魚藻図”のようなのもある。自由奔放な筆使いで対象を生き生きと描くところが鉄斎の一番の魅力。“魚藻図”を釘付けになってみた。そして、すぐ尾っぽを横に元気よく曲げた前の魚が棟方志功が描いた“御群鯉図”(拙ブログ06/10/18)と響き合った。人物画では2点ある“錘馗図”の顔の表情に親しみを覚える。

大和文華館が有難いオマケをつけてくれた。それはいつかみたかった若冲の“釣瓶に鶏図”。見てのお楽しみである。ついでに言うと、その隣にある抱一の絵はあまり期待されないほうがいい。

|

« マリーナ・カポス展 | トップページ | 東京国際女子マラソン、野口みずきが優勝! »

コメント

「週刊新潮」にこの展覧会の記事がありまして、鉄斎の名画が出ているわけではなく、知人に折にふれて贈った作品が展示されているようですね。
「個人的なプレゼント」で「巨匠の素顔がうかがえます」と。
僕は今日泉屋博古館行った帰りにここにおいてあるチラシをもらいに外から覗いたのですが、この美術館としては珍しく分厚い図録みたいなものがいっぱいみえました。
ただパスを持っていないので千円払ってというのはちょっとーというところでした。

投稿: oki | 2007.11.18 22:14

to okiさん
今回、心の中は若冲1点を見るのが8割で、
鉄斎は2割です。一度回顧展をみましたから、
プラスアルファが少しあればという軽い気持
ちです。

ぐるっとパス券で伊勢海老や魚のいい絵がみ
れましたから、まあよかったという感じです。

投稿: いづつや | 2007.11.18 23:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大倉集古館の富岡鉄斎展:

» 富岡鉄斎展ー躍動する形と色 @大倉集古館 [Art & Bell by Tora]
 大和文華館との交換展覧会。鉄斎は最後の文人画家と呼ばれ、幕末から大正にかけて89歳の生涯を送っている。泉屋博古館分館で下記のポスターをみつけ、大倉集古館に足をのばした。   入るとまず「特別出品」が展示されている。これはいわばオマケ。伊藤若冲の《釣瓶に鶏図》は正面を向いた鶏が井戸のツルベに乗っている。加賀千代女ならばさしずめ「にわとりに つるべ取られて もらい水」と詠んだだろうか。若冲フリークでなくても、感嘆の声を上げる。    酒井抱一の《瓶花図》には、立葵・紫陽花・鉄砲百合・撫子・仙翁が... [続きを読む]

受信: 2007.11.19 13:21

« マリーナ・カポス展 | トップページ | 東京国際女子マラソン、野口みずきが優勝! »