« 山種美の秋の彩り展 | トップページ | 乾山の芸術と光琳展 »

2007.11.25

東京コンテンポラリーアートフェア2007

81_3
80_3
新橋の東京美術倶楽部で開かれていた“東京コンテンポラリーアートフェア2007”
(11/23、24、25)をのぞいてきた。日本における最前線のコンテンポラリーアートについてはまったく知らないから、48あるギャラリー・画廊をまわるのもおっかなびっくりな感じで、目線がどうも定まらない。

4Fからスタートした。西村画廊に今注目している町田久美の“レンズ”があった。少年が坊主頭の後に両手をまわし、皮膚を切り裂くようにして中にある目ん玉をみせている。束芋、石田徹也、町田久美ら最近のアーティストは体をよく切り刻む。町田久美の作品をみるのを楽しみにしていたが、1点だけだったのは残念。画廊通いをしないから、どこの画廊がこの業界で大手なのかわからないが、ここはスペースがほかより倍くらいあったから、トップクラスの画廊にちがいない。

この前に韓国のギャラりーが5つ並んでいた。そのひとつUMギャラリーにいい絵があった。上はDong-Heon、Yeoの作品。草原を移動する豚、ライオン、牛、羊らの群れが画面いっぱいに描きこまれている。明るく彩られた可愛い動物キャラクターのシールをペタペタ貼ったよう。ぱっとみてすぐ、村上隆の“COSMOS”(拙ブログ05/2/14)が頭に浮かんだ。置いてあったパンフレットには同じような絵が2点載っていた。まるで知らない作家だが、韓国では人気のアーティストのような気がする。

次のブースにでていたLee-Nam、LEEの屏風映像を夢中になってみた。8扇のひとつ々にちがった花鳥画が描かれており、そのひとつが宗達の“蓮池水禽図”。これをじっとみていると2羽の水禽が池の中を動き回り、水の流れも微妙に変化する。また、右端扇の枝にとまっている数羽のスズメが一羽ずつ飛んでいき、隣の扇子に入り込んでいく。はっとするアイデアは絵だけではない。バックミュージックに使っているのが大好きな曲、バッヘルベルの“カノン”!東洋の絵と西洋の音楽をうまく組み合わせているのである。この美的センスはすごい。200%感動した。こういうのを見ると現代アートも面白いなと思う。

3Fにあったギャラーで足をとめてじっくり見たのが大島梢の“無辺りの指標Ⅲ”。海の波しぶき、鳥の羽、空の雲のボリューム感あふれる描写に釘付けになる。

彩鳳堂画廊には、このフェアで是非見たかった榎俊幸さんの作品、“秋鳳図”があった。榎さんはアーティストらしい上手いネーミングの“絵ノローグ”というブログをもっておられ、今回の作品のことを書かれているので、絵のほうはそちらで見ていただきたい。日本橋三越であった個展(9/25~10/1)にも白い鳳凰の絵が3点あったが、ここに展示されているのはこれらより大きい100Fの絵。

以前、狩野探幽の“桐鳳凰図屏風”(サントリー美、07/4/8)を取り上げたとき述べたように、鳳凰の絵はあまりお目にかからない。平等院や金閣寺の屋根の上に飾られたものは遠くにあるので、その姿は実感できない。で、鳳凰のイメージは探幽と若冲(06/7/8)の絵と8年前あった“宋磁展”(山口県立萩美・浦上記念館)で見た下の“白磁刻花牡丹唐草文鳳首瓶”(大英博物館)や東博の“白磁鳳首瓶”(現在、東洋館で展示中)で形成されている。

これらと較べると榎さんの鳳凰は嘴や目の鋭さが消え、とても品があって優雅な鳳凰である。気に入っている若冲の鳳凰は地の色と羽の茶色が重なったり、隣にもう一羽いることもあり、鳳凰のフォルムがぱっとつかめない嫌いがあった。これに対し、目に前にいる尾っぽを長くのばした白い鳳凰は圧倒的な存在感で描かれている。羽一枚々の描写が実に精緻。胸の後ろあたりはうすピンクでその下の左右の羽を大きくひろげたところには金色で彩色されている。そして、えもいわれぬ美しさなのが先っぽの目玉柄。うす黄色とうす青がなんとも目にやさしい。見事な鳳凰図というほかない。

榎さん、すばらしい絵をみせていただき有難うございました。

|

« 山種美の秋の彩り展 | トップページ | 乾山の芸術と光琳展 »

コメント

いづつやさん、会場に足を運んでいただきありがとうございます。
私はあの会場の雰囲気に圧倒され、少々疲れが出てしまいました。
お客様に合うために会場には毎日いたかったのですが、ずっとはいられなかったのです。
お会いできず残念です。
まだまだこれ以上の絵を描いて驚かせるつもりでいますので、どうぞお楽しみに。
(´・ω・`)ノENOKI

投稿: 榎俊幸 | 2007.11.27 18:44

to 榎さん
チケットを買うところにあった図録は榎さんの
“秋鳳図”が載ってるページを見せていました
ので、これはしっかり見ないといけないなと
のっけから期待が膨らみました。

鳳凰の絵はあるようでないですから、完成度が
さらにアップした“秋鳳図”に大感激です。
また、いい絵をお描きになってもっともっと驚か
せてください。

投稿: いづつや | 2007.11.27 23:16

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/17189576

この記事へのトラックバック一覧です: 東京コンテンポラリーアートフェア2007:

« 山種美の秋の彩り展 | トップページ | 乾山の芸術と光琳展 »