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2007.11.05

鎌倉人の地獄と極楽展

52鎌倉・鶴岡八幡宮の境内にある国宝館で行われている“鎌倉人の地獄と極楽”(10/5~11/11)では、神奈川県立歴史博物館とコラボするかのように、冥府彫刻や十王図、地獄絵の優品がいくつも展示してある。

今年の後半は2、3年前から関心を寄せている地獄絵や羅漢図が予想外に多く目の前に現れる。

“京都五山展”(東博)、“院政期の絵画展”(奈良博)に続いて、近場の歴博および国宝館で追っかけていた作品に遭遇できるとは思ってもみなかった。これで地獄や羅漢関係の絵は一気に済みマークがついた。

鎌倉国宝館は五月の“鎌倉の名宝展”で所蔵の国宝などが目を楽しませてくれたが、今回も“よくこんないい絵をもってきてくれたな!”と思うほど充実した内容。しかも、図録つき。名宝展のときとちがい、入って右の常設スペースにも作品を展示している。はじめてみる冥府彫刻の数々を夢中になってみた。

そのなかで心をとらえて離さないのが右の“初江王座像”(重文、鎌倉・円応寺)。初江王は十王のうち亡者を二七日目に裁く冥界の王。目を大きく見開き、右斜め前方を忿怒の形相で見つめる姿に身が震えるくらい圧倒される。顔だけでなく肩の辺りまで上げた左手からも怒りのパワーが出ている感じ。制作されたのは鎌倉時代の1251年。運慶様式による力強い作風は関東における鎌倉彫刻を代表する作品といわれている。彫刻鑑賞のなかではエポック的な出会いとなった。

また、隣にある同じく円応寺が所蔵する“倶生神座像(ぐしょうじんざぞう)”(重文)2体にも惹きつけられる。でっぷりしたじじい顔で観る者を威圧するように両手をひろげている倶生神は、人が生まれたときから常に左右の肩につきまとい、善悪の所業をチェックし、その人が死んだあと、閻魔王に報告する神のこと。これらの彫刻作品と地蔵菩薩像はすべて会期中出ずっぱり。

出かけるきっかけになった金戒光明寺蔵の“地獄極楽図”(重文)や出光美の“十王地獄図”(重文)は展示替えで今は見れないが、国宝の“当麻曼荼羅縁起絵巻”(5/27)とか“六道絵”(滋賀・聖衆来迎寺蔵の模本、05/11/206/3/30)、そして称名寺や神奈川歴博の“十王図”などは最後まででている。

たまにつくる図録なのでチェックが甘いのか、図版が左右逆になっているのが数点あったが、これはご愛嬌。

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