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2007.10.23

安宅英一の眼 安宅コレクション展 その一 中国陶磁

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三井記念美で行われている“安宅英一の眼 安宅コレクション展”(10/13~12/16)を心ゆくまで楽しんだ。東洋陶磁では世界的に有名な安宅コレクションが東京にお目見えするのは30年振りとのこと。9年前、山口県立美であった大阪市立東洋陶磁美術館蔵“安宅コレクションの至宝展”を見たから、コレクションのすごさはわかっている。

だから、あの名品にまた会える喜び、そして前回出品されなかったものへの期待が入り混じり、展覧会への熱い思いは数ヶ月前からプラトー状態だった。究極のやきもの鑑賞の感想を一回にまとめるのは無理なので2回綴ることにした。まず、中国陶磁から。

入ってすぐのガラスケースに上の国宝“飛青磁花生”(龍泉窯、元時代・13~14世紀)が飾ってある。出だしから、一気にテンションがあがる。いつも思うのだが、やきものの名品を見るのにこれほどいい場所はない。目を奪われるのはあの均整のとれた美しい形。ほっそりとした首に胴部はふっくらと膨らんでいる。この形にもうぞっこん。そして、こげ茶色の斑点がついたつややかな緑色が心を掻きむしる。

展示室2にあるのが真ん中の国宝“油滴天目茶碗”。油の滴(しずく)を敷きつめたような模様だからこの名前がついている。天目は黒釉の掛かった茶碗のこと。光の加減で金、紺、銀色に輝く斑文は裾のところは密で上にあがるにつれて斑文の間があいてくる。図録でみると大きさの感覚が薄れるが、実際にみるとわりと小さい茶碗である。今、東博の“大徳川展”に出品されている名古屋・徳川美術館蔵の油滴天目と較べてみても、この茶碗にできた油滴模様は群をぬいて美しい。

中国陶磁は今回コレクション144点の中から46点出品されているが、ハイライトは1,2室にある13点。ここには再会を楽しみにしていたのがほかにもある。重文の青花(景徳鎮窯)は5点あるが、3点が安宅コレクション。下の“青花蓮池魚藻文壺”(元時代・14世紀)、“瑠璃地白花牡丹文盤”(明時代・宣徳年間)、“青花枇杷鳥文盤”(明時代・永楽年間)。嬉しいことに3点全部ある。

なかでも会いたかったのが“青花蓮池魚藻文壺”。04年、出光美の“中国陶磁のかがやき展”でもみたから3度目の対面。背びれを立て、口を大きく開けた魚のユーモラスな姿と目を見張らされる青の発色にいつも惹きこまれる。同じ重文指定で東博にある同じ文様の壺を8月の平常展でみたが、発色の具合は安宅コレクションのほうがいい。今年は青花の当たり年。畠山美の“染付龍濤文天球瓶”(拙ブログ8/19)、トプカプ宮殿の“染付牡丹蔓草文盤”(8/26)、そして安宅の3点。

ほかにも魅せられるのがあるが、あとは見てのお楽しみ。“これぞ、宋、元、明のやきもの!”だった。

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コメント

こんばんは
いづつやさんがお気にいられた3点はわたしも大好きな作品です。
特に油滴天目は斜めからすかして眺めると、また趣が変わりなんとも味わい深いです。

わたしは高麗青磁ほ偏愛しているので、いづつやさんがどんな感動を受けられたかが、とても楽しみです。

投稿: 遊行七恵 | 2007.10.24 21:25

to 遊行七恵さん
久しぶりの安宅コレクションを満喫しました。
三井自慢の第1展示室に飛青磁、油滴天目、
青が輝く青花があるのですから、もうたまり
ません。

高麗青磁は期待していた筍の形をした水注が
なかったのは残念ですが、鶴首瓶2点と再会し、
はじめての“青磁象嵌折枝文水注”がありま
したから、大満足でした。本当にすごいコレ
クションですね。

投稿: いづつや | 2007.10.25 13:47

ちょうど、今、二つの油滴天目茶碗を東京で見ることが
できてラッキーですね。
やはり、私も、こちらの茶碗の方が、口縁の金色、
釉薬のかかり具合など、ステキだなぁと思いました。

投稿: 一村雨 | 2007.10.28 08:01

to 一村雨さん
安宅コレクションの油滴天目は徳川美のより
口径が1cmくらい小さいですが、こちら
のほうが油滴が輝いてますね。
一度でいいから、手に持ってみたいですね。

投稿: いづつや | 2007.10.28 16:25

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