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2007.10.21

琳派百図展に感激!

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“琳派百図展”(昨日10月20日のみ、東銀座・時事通信ホール、主催:日本伝統染色工芸保存協会)の興奮がさめやらない。この展覧会のことを教えてくださった雪月花さんに感謝々である。

会場には琳派の美に触発されてつくられた現代染色作家の着物、帯が沢山展示してあった。あまりの美しさに気持ちが高揚しすぎて、全部で何点あるのか聞くのを忘れてしまった。また、ここにある着物が商品としてすでに売却されたものなのか、それとも鑑賞作品としてつくられたのか、これもよくわからない。

これだけの質の高い作品であれば、ラベルに書かれている作家はトップクラスの京友禅の作家であることはまちがいない。下は市川和幸という人の訪問着“松島図”。琳派狂いとしては米国ワシントンにあるフリーア美術館が所蔵する宗達の最高傑作“松島図屏風”をイメージした作品がでてくると、もう普通ではいられない。食い入るようにみた。紫がかった青の濃淡で表現した海面のうねりと様式化された白い波頭がすばらしい。宗達の原画と訪問着の絵柄が響きあっている感じである。

宗達だけではない。これは光琳の流水文だな、あれは抱一の草花をイメージしたのだな、その横にあるのは雪佳の意匠だなと絵柄のモティーフはすぐ頭に浮かんでくる。様々な琳派模様をみると、琳派芸術は時を超えて絵画だけでなく、着物の世界でも現代感覚の意匠に装いを変えてしっかり継承されていることを実感する。

この展覧会のサプライズはうっとりするほどの着物や帯だけでなく、もう一つあった。琳派の本物の屏風や掛け軸がいくつもあったのである。しかも嬉しいことにガラスの中に入っているのではなく、目と鼻の先に飾ってある。一番驚いたのは“宗達の鶴図&光悦の書”。これは京博蔵“鶴下絵三十六歌仙和歌巻”(重文)のひとまわり小ぶりの別ヴァージョン。鶴のくちばしと足の金泥が鮮やかに残っている。参りました!

もう一点、“ええー、これも!”というのがあった。上の“犬図”(部分、個人蔵)。これは数点ある宗達の犬図のなかで最も気に入っているもの。04年にあった“琳派展”(東近美)に出品されたが、ここで再会するとは夢にも思わなかった。

光琳の本物は屏風“流水に菊図”、“団扇”、“光琳草花図”の3点。そして、抱一の代表作“夏秋草図屏風”(重文、東博)を彷彿とさせる“秋草図”にも度肝を抜かれた。画集に載ってないこんないい絵があったとは!また隣にある“四季花鳥図貼文”(六曲一双の屏風)や4つの掛け軸“草花図”にも魅せられる。

今回は“琳派百図展”の30周年を記念する特別展だったから、こんなすごい本物をもってきたのかもしれない。こういう機会に巡りあえたのは真に幸運であった。雪月花さん、本当に有難うございました。

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コメント

いづつやさん、お久しぶりです、こんにちは。雪月花です。
いづつやさんに見ていただけて感激です、それにこんなにすばらしい記事まで書いてくださり、感謝します。いつもいづつやさんのブログからこっそり情報をいただいていますので、今回はお役に立てて光栄です ^^
それにしましても、きものは力作ぞろいのみごとなものばかり、まさに絢爛豪華でみやびな琳派の競演でした。光琳と乾山の生まれ育った京都・雁金屋のもっとも隆盛していたころのようすもさぞや‥と想像いたしておりました。さらには琳派のホンモノの数々、それも美術館や図録でも見たことのなかったお宝が無造作に並べられていて、ガラス越しでなくじかに見られたことはほんとうに驚きでした。宗達・光悦の和歌巻や乾山のやきものなど、思わず手で触れたくなるほど‥! 夢のようでした。このようなお宝が、きっとまだまだどこかにたくさん隠されているのでしょうね。
いづつやさんのお目にかなってよかったです。これからもこちらを参考にさせていただきます。有難うございました。

投稿: 雪月花 | 2007.10.22 09:20

ご無沙汰しています、榎です。
宗達の「犬図」ですね。
大好きな絵がupされていたので思わずコメントしてしまいました。
いづつやさんはいつも良い絵を選びますね。

投稿: 榎俊幸 | 2007.10.22 15:42

to 雪月花さん
目を見張らせる着物と本物の琳派の絵に感激し
ました。この展覧会を教えていただき心から
感謝しています。有難うございました。

目の前に、宗達のあの飛翔する鶴がいるのです
から、もう夢中になってみました。乾山の角皿
“百人一首”、掛け軸“紅白梅図”もよかった
ですね。

光琳の屏風“流水に菊図”は04年10月、
日本橋三越であった“日本の美 琳派展”にで
ていた“菊図屏風”の別ヴァージョンですね。
こういうのがひょいと出てくるのですから驚き
ます。

次の楽しみは出光美の“乾山と光琳展”ですね!
どんなsomething newがあるでしょうか?

投稿: いづつや | 2007.10.22 18:22

to 榎俊幸さん
榎さんも宗達の犬図がお気に入りですか。
犬の絵はいくつかみましたが、これにぞっこん
です。

応挙や芦雪の子犬は肩の力がぬけ、心が和む
感じですが、宗達の描く犬には犬の気持ちが
現れているような気がします。この絵をみてて、
ふとプラドでみたゴヤの“砂に埋もれる犬”を
思い出しました。

投稿: いづつや | 2007.10.22 19:42

はじめまして、市川和幸の息子で市川昌史と申します。
今年も琳派展の時期がやってまいりまして、ネットを見ているうちにたどりつきました。

今年も弊社の振袖が京都府知事賞を3年連続でいただきまして、大変誇りに思っております。

上の写真の波の訪問着は昨年売れたそうです。
買われたのは男性の方と聞いております。

ホームページにもちょうどこの作品の写真を掲載しております。
ぜひ、ご覧ください。

投稿: 市川 | 2009.10.01 22:42

to 市川さん
はじめまして。書き込み有難うございます。
2年前、お父様の作品を見たときの感激が蘇って
きました。京都府知事賞、おめでとうございます。
この着物もすばらしいですね。

琳派百図展をまた見る機会をつくりたいと思い
ます。これからもよろしくお願いします。

投稿: いづつや | 2009.10.05 15:51

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