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2007.10.11

歌麿美人画鑑賞ツアーのご案内!

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絵画鑑賞の回数を重ねるにつれて、絵を見るときもビジネス同様、“選択と集中”がいいなと思うことがある。浮世絵の場合、ここ数年は喜多川歌麿と歌川広重の主要作品を見ることにエネルギーを注いでいるが、念力が通じるのか予想以上のペースで狙いの名画が目の前に現れる。

昨日紹介したミネアポリス美術館のコレクションには思ってもいなかった歌麿の有名な作品があった。後期(10/30~11/25)には代表作のひとつ“婦人相学十躰 浮気之相”、“高名美人六家撰 富本豊雛”(拙ブログ8/30)などが登場する。

松涛美を出て、ふとあることに気がついた。今から来月末にかけて、都内にある3つの美術館を回ると歌麿の代表作が相当数見られるのである。で、歌麿がお好きな方のために、“都内歌麿美人画鑑賞ツアー!”をご案内したい。回るコースは、

①松涛美術館:ミネアポリス美コレクション、前期(10/2~10/28)・後期(10/30~11/25)、作品数16点、
②UKIYO-e TOKYO(平木浮世絵財団、ららぽーと豊洲内):平木コレクションの珠玉 歌麿10選、10/2~10/28、作品数10点
③東博:浮世絵平常展、9/26~10/21、作品数3点

東博の10/21以降から11月末に展示される作品はまだわからないが、歌麿はいつも3,4点でてくるので、これもカウントすると、3つの美術館合計で30数点になる。以下に説明する平木コレクションもすばらしいから、是非このツアーにお出かけいただきたい。

UKIYO-e TOKYOは“ららぽーと豊洲”(地下鉄有楽町線豊洲駅から徒歩5分)のなかにある。展示スペースは広くないから一度に出ている作品は少ないが、質のいいものが多いので、いつもいい気持ちになる。今回展示されている歌麿の美人大首絵は国内では折り紙つきの名品(7点が重美)である。ちなみに、復刊した“週間アーティストジャパン・喜多川歌麿”(2007.4.3、デアゴスティーニ)には10点のうち下の“歌撰恋之部 物思恋”と“高名三美人”が掲載されている。

“これぞ歌麿の美人画!”というのが10点も並ぶと画像の選択に迷う。考えたあげく、ミネアポリス美蔵では女性の感情がよく表れた“台所”をとりあげたので、ここの大首絵も“顔の描き方は皆同じと思っていたが、言われてみると女の境遇や心理が微妙に表情にでているな”と感じられるのを選んだ。

上は“芸者亀吉”。明るくて根は正直そうな芸者である。思わず“亀吉ちゃん、手を組んじゃったりして、なにかいいことあるの!”と声をかけたくなる。少しさがりかげんの眉をしたこの人のよさそうな品川芸者のあと、下の“歌撰恋之部 物思恋”をみるとドキッとする。この絵をみるのは2度目。松江にあるティファニー庭園美術館ではじめて見たとき(05/10/11)、心がざわざわしたのを今でもしっかり覚えている。版画自体の質は平木コレクションのほうが断然上。

インパクトがあるのがなんといっても眉を剃った顔と手の甲をかえし、頬についた指の表情。そして、髪の生え際の見事な描写とつやつやした島田まげの黒の輝きに目を奪われる。この中年女は若い頃、燃え上がった恋を追憶し、物思いにふけっているのであろうか。物憂げな女を見ていると、アールデコ時代に活躍したレンピカの描く女性肖像画が頭をよぎる。

東博に今出ているのは、美人の顔に輪郭線がない“娘日時計”シリーズの“辰ノ刻”、“午ノ刻”、“未ノ刻”の3点。これも画集に必ず載っている絵である。どうか3美術館に飾られている歌麿の名画をお楽しみください。

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